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【センバツ4強戦力分析】昨夏の甲子園初戦敗退で「守備の星稜」へモデルチェンジ! 悲願の甲子園優勝へのカギは3,4番の復活!

2024.03.30


第96回選抜高等学校野球大会も30日に準決勝、31日に決勝戦が行われる。
昨秋、明治神宮大会王者の星稜は1995年、2019年には夏の甲子園で準優勝経験があるものの、意外にもセンバツでベスト4は初めて。悲願の甲子園優勝のために昨年とは大きくチームカラーを変えてきた。

■データ・勝ち上がり

チーム打率.244
総得点 12
総失点 4

1回戦 田辺 4-2
2回戦 八戸学院光星 3-2
準々決勝 阿南光 5-0

■強打の星稜ではなく、守備の星稜

近年の星稜といえば、打ち勝つ野球を目指してきた。2018年出場時は石川大会決勝戦で1試合7本塁打を記録。2019年には内山 壮真内野手(ヤクルト)を中心に強打で投手陣を援護するチームスタイルだった。今年も萩原 獅士内野手(3年)、芦硲 晃太外野手(3年)と神宮大会で本塁打を打った選手はいるが、甲子園の試合を見ると強打というよりも、安定した試合運びが光る。
カバーリングや野手同士への声かけを積極的に行うなど、事前準備がしっかりしている。神宮大会と比べると、かなり緻密になっている。そのキーマンが、セカンドの中谷 羽玖内野手(3年)。俊敏な動きだけではなく、内野手とのやり取りが中谷がメインになって行われている。きっかけは昨夏の甲子園・創成館戦で、3失策を喫し、3-6で敗れたことだという
「あの試合はベンチから『何やっているんだろう』…と思いながら見ていました。甲子園になると慌ててしまって、自分たちのプレーができない。新チームでは常に声をかけたりして、守備の準備をしっかりしたいと思いました」(中谷)
センバツでは3試合、27イニングでわずか2失策。特に2回戦で好投手・洗平 比呂投手(3年)擁する八戸学院光星に3対2で1点差で勝利した試合は、秋に比べて強さを実感させられた試合だった。ショートを守る吉田 大吾内野手は中谷を全面的に信頼している。
「今年の守備の連係は中谷がいないと成り立たないぐらい大きな存在です」

また、強肩捕手・能美 誠也(2年)も投手の持ち味を引き出すインサイドワークが光り、ここまで3試合でわずか4失点。強肩で盗塁阻止するシーンもあった。守備で簡単な失点を与えないのが今年の星稜の強みだ。

■技巧派左腕のエース・佐宗翼が中3日で準決勝へ!

投手陣は左腕の佐宗 翼投手(3年)、右スリークォーターの戸田 慶星投手(2年)、右の本格派・道本 想投手(2年)の3人。戸田が準々決勝の阿南光戦で完封勝利を挙げ、佐宗は2回戦の八戸学院光星戦から中3日で臨めることになる。佐宗は「戸田のおかげで、準決勝、決勝はフル回転できる準備ができた」と感謝していた。佐宗の130キロ中盤の速球、スライダー、チェンジアップを投げ分ける投球は簡単に打ち崩せないものがある。

■神宮大会で活躍した吉田、芦硲の復活に期待

守り勝っている星稜だが、神宮大会では本塁打を放った3番芦硲、4番吉田の復活を期待したい。2人の打率を見ると、芦硲は打率.091、吉田は打率.182と苦しんでいる。センバツでは9盗塁と機動力を使ってチャンスを作り、着実に点を重ねているが、やはり主砲2人が打てれば、得点力は変わってくるだろう。

センバツ出場時では強打が注目されたが、ここまで洗練された守備で勝ち上がっている星稜は明治神宮大会に続き、悲願の甲子園での頂点を掴むことができるか。

【ベンチ入り選手】

佐宗 翼投手(3年)
能美 誠也捕手 (2年)
服部 航内野手(2年)
中谷 羽玖内野手(3年)
萩原 獅士内野手(3年)
吉田 大吾内野手(3年)
浜田 大聖外野手(2年)
芦硲 晃太外野手(3年)
専徒 大和外野手(3年)
竹下 史紘内野手(3年)
道本 想投手(2年)
河上 涼太捕手(3年)
中島 幹大外野手(3年)
中村 瞭太内野手(3年)
中島 海翔外野手(3年)
島田 光内野手(3年)
新島 星空斗投手(3年)
戸田 慶星投手(2年)
星 英人外野手(3年)
東 汰生外野手(3年)

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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