試合レポート

【徳島春季大会】徳島商-城東の激突! 昨秋捕手転向の横手がクレバーなリードで徳島商を勝利に導く!

2024.03.27


福島虎之介(徳島商)

一年前のセンバツに21世紀枠で出場し、東海大菅生に善戦した城東。侍ジャパンU‐18代表として世界一獲得に貢献した森 煌誠(NTT東日本)をエース・主将として城東を夏の徳島大会2回戦で下し、頂点まで駆け上がった徳島商

センバツ2試合連続2桁奪三振の最速146キロ右腕・吉岡 暖(3年)を擁する阿南光や、最速153キロ右腕・川勝 空人(3年主将)が注目の生光学園らと共に現在の徳島県高校野球をけん引する両雄が春季大会初戦で激突した。

城東はセンバツでも先発登板した岡 一成投手(3年)に加え、6回表に1番中堅手からマウンドに上がり4回を無失点に抑えた藤倉 和人投手(2年)も最速140キロ超のストレートを投ずるなど、生光学園に初戦で屈した昨秋からの成長が明らかに見えた。ただし徳島商の成長は城東をも凌駕していた。その原動力となったのは準々決勝で鳴門に敗れた昨秋以降にコンバートされた選手たちだ。

昨夏甲子園レギュラー組だけでも主将の吉田 大馳内野手(3年)は強肩を活かすべく三塁手から遊撃手へ。捕球時のステップに優れる遊撃手を務めていた岸本 大翔(3年)は二塁手へ。これにより二遊間は堅さが増した。

徳島商は他にも、昨秋のスタメンから実に5人がポジションを変更。その中で最も輝いたのは、昨夏に俊足巧打で甲子園も沸かせた二塁手から「生粋の野球小僧」と森影 浩章監督も認める吸収意欲を買われ、「小学校低学年の時に少しやった以来」の捕手へコンバートされた横手 亮太捕手(3年)である。

特に城東戦における軟投派スリークォーター・福島 虎之介投手(2年)に対するリードは秀逸の域だった。基本線は「1巡目2巡目3巡目で配球を変えていく」スタイルをベースとする横手だが、福島の変化球を城東打線が張っていると見るや、ストレートをコースに投げ分ける配球にすかさずチェンジ。本来のエース、2番手を体調不良で欠くピンチを脱したばかりでなく散発7安打で福島の147球完投勝利を引き出した。

そんな徳島商の次戦は昨秋敗れた盟主・鳴門。地肩は備えながらまだ二塁送球タイム2秒1台のスローイングなど課題もあるものの「夏につながる試合にしたい」と、170センチ70キロの横手のアグレッシブな姿勢は、この大一番でもキーとなるに違いない。

<関連記事はこちら>
◆【トーナメント表】春季徳島大会
◆ドラフト候補たちの「春の初戦」が決定!徳島の153キロ右腕、静岡の197センチ剛腕などセンバツに出ない逸材たちを見逃すな!
◆【高校野球ベストシーン’23・徳島編】鳴門が好投手を攻略、153キロ右腕・川勝を足と小技で揺さぶって勝利

この記事の執筆者: 寺下 友徳

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.18

神奈川20日に準々決勝!春の王者・武相は唯一のノーシード横浜隼人と、横浜は秋の王者・桐光学園と対戦

2024.07.18

熊本で8強決定!九州学院、熊本工らが進出、進学校・熊本の粘りもあと1歩届かず【2024夏の甲子園】

2024.07.18

兵庫では報徳学園、東洋大姫路がベスト16入り、甲南が9回3点差逆転のサヨナラ勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.18

大分では明豊、大分、津久見などベスト16決定!高田、大分上野丘の快進撃に期待【2024夏の甲子園】

2024.07.18

栃木16強決定!白鷗大足利を破った波乱の主役・鹿沼商工の快進撃に期待【2024夏の高校野球】

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.13

四国の夏を盛り上げる逸材20名! 全国注目の四国BIG3から「東大野球部か医者か」の秀才、名門・池田の小さな大エースまで【逸材選手リスト】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.13

モイセエフ擁する豊川、初の夏の甲子園へ戦力向上中! カギは超高校級スラッガーの前、投手陣は急成長 センバツの雪辱をはたすか!?【注目チーム紹介】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」