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異例の「社会人野球→大学野球」を選んだ富士大の強打者・高山遼太郎 教員志望も「野球をやっているうちはプロを狙う!」父は広島スカウト

2024.03.25


高山 遼太郎(富士大)

熱戦が続く第96回選抜高校野球大会。初戦で完封勝利を収めた健大高崎(群馬)は26日、明豊(大分)との2回戦に臨む。

母校の躍進を願うOBが、東北の名門・富士大にいる。2017年のセンバツに出場し、高校通算47本塁打を放った左の強打者・高山 遼太郎内野手だ。高山の父は広島、西武で内野手としてプレーした健一氏(広島スカウト)。6歳下の弟・裕次郎は健大高崎の硬式野球部に所属する3年生で、兄弟ともに甲子園を経験した。

高校卒業後は社会人野球の強豪・Hondaで4年間プレー。昨年、「もう少し野球をしたい」「将来、高校の先生になって教える立場になりたい」という二つの目的のため、高校時代に指導を受けた沼田雄輝コーチのいる富士大に入学した。

規定により1年生だった昨年は公式戦に出場することができなかったが、全体練習には参加し打撃を中心に強化してきた。年下の先輩や同期に囲まれる環境の中、「早い段階からフランクに話せてやりやすかった」とすぐに溶け込み、チームメイトにアドバイスを送ることもあったという。

チームは全日本大学野球選手権と明治神宮大会で4強入り。高山は「昨年あれだけ勝ち進んだので、今年は自分たちも周りの方々もそれ以上を求めている。僕が試合に出ることでそれ以下になってしまったら、『僕のせい』と思われても仕方ない」と気を引き締め、「日本一になるため、何としてでも(チームを)勝たせられるようになりたい」と意気込む。

今年の富士大は麦谷 祐介外野手(4年=大崎中央)、佐々木 大輔内野手(4年=一関学院)らドラフト候補が多数並ぶ強力打線を形成する。高山は実績十分の“先輩”たちを「自分が入学した時からレベルの高かった子たちが、1年経ってさらにスケールアップしている」と高く評価している。そんな中、オープン戦では高山が主に3番に入って中軸を担っており、新打線はますます凄みを増した。

裕次郎は19日、学法石川(福島)とのセンバツ初戦に「3番・二塁」でスタメン出場し、第3打席で内野安打をマークした。

高山は19日が休養日だったため健大高崎の初戦を現地観戦し、裕次郎の打席も目に焼き付けた。「弟が頑張っている姿を見たら、『自分もまだまだ頑張らなきゃな』と思えた」。指導者を志す一方、「野球をやっているうちはプロを目指す」と闘志は消えない。その闘志に、より一層火がついた。

「(健大高崎は)先輩が指導者をしていて、弟もいるので、卒業した今も親近感の湧くチーム。日本一を目指して頑張ってもらいたい」。そうエールを送った高山は、きたる“大学野球デビュー”に向けバットを振り続ける。

(取材=川浪康太郎)

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この記事の執筆者: 川浪 康太郎

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