試合レポート

【春季東京都大会1次予選】東海大高輪台が細かくつなぐ攻撃と西・及川の投手リレーで都大会出場へ

2024.03.24

東海大高輪台・及川夏槻

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＜春季東京都高校野球1次予選：東海大高輪台9－1淑徳巣鴨（7回コールド）＞◇22日◇代表決定戦◇明星

東海大高輪台というと、フィジカルトレーニングで鍛えられた、パワフルなイメージがあるが、この大会は体調不良の宮嶌孝一監督に代わり、代行という立場で指揮を執っている深澤建一監督が「例年に比べると非力です」と言う。それでも、淑徳巣鴨の投手陣の制球の乱れもあり、細かくつなぐ攻撃でしっかり加点していった。

先発は背番号1の西海輝投手（2年）。「ゲームを作ることができる」と深澤監督が安定性を評価して先発させた。しかし、1回、淑徳巣鴨の1番・古池正憲を四球で歩かせると、4番・舟越心哉が左中間を破る二塁打を放ち、古池が生還して淑徳巣鴨が1点を先制した。「初回は緊張しました」と西は言う。

それでも西は、2回以降は立ち直った。最速は130キロ程度だが、初回よりは明らかに球威が増し、スライダー、カーブなどの変化球もしっかり決まり始める。

淑徳巣鴨の先発・福田啓人投手（3年）は、初回は無失点で切り抜けたものの、2回は、3四死球の乱調。盗塁の失敗もあり2死一、二塁から9番で先発投手の西が右前安打を放ち、東海大高輪台が同点に追いついた。

さらに3回、この回先頭の2番・細野虎太郎内野手（3年）の二塁打を皮切りに、3番・三浦颯太内野手（3年）、4番・水野翔外野手（3年）、5番・松田大空捕手（3年）の3連打で一気に勝ち越すと、死球や敵失もあり、この回5点を入れた。4回、主将で7番の山中隼斗外野手（3年）の中前適時打で1点を追加。5回は淑徳巣鴨の2番手・空閑優太投手が5四死球と荒れて、2点を追加した。

6回からは背番号18の及川夏槻投手（3年）が登板する。及川は中学時代、駿台学園の背番号1を担った逸材で、球も速い。「及川は球のレベルは高い」と、深澤監督は言う。及川は6回、7回を投げて1人の走者も許さず、奪三振3の好投。結局9対1で東海大高輪台が勝ち、都大会出場を決めた。

淑徳巣鴨は5回まで捕手だった中田陸斗捕手が、6回のマウンドに上がった。中田は球の質が良く、三者凡退に抑えたように、可能性のある選手もいる。しかし3回、5回と大きく崩れたことが悔やまれる。

東海大高輪台は西、及川という2人のタイプの違う投手が好投した。背番号1の2年生・西は「自分が一番だとは思っていません。及川さんの方がいいと思います」と言えば、背番号18の3年生の及川は「背番号にこだわりがありません」と言う。

この日は投げていない投手が他にもいるなど、タイプの違う好投手がいるのが強みだ。都大会の初戦で当たる駒大高は打撃のいいチーム。もし勝てば、センバツ出場の関東一に当たるという、厳しいゾーンに入っているが、真価を問われる戦いが続くことになる。