試合レポート

復活をかける「元・都立の星」東大和、部員12人でコールド発進!【東京春季大会一次予選】

2024.03.18


東大和・忌部柊哉君

<春季東京都高校野球1次予選:都立東大和8-1都立福生(8回コールド)>◇16日◇1回戦◇あきる野市民

全国でもっとも加盟校の多い東京都では、4月1日から始まる春季東京都大会を目指す地区ブロック1次予選が、全国に先駆けて16日から始まった。今年は、3月2日から対外試合が解禁されてはいたものの、学年末試験などの日程とも重なり、なかなか実戦経験を積めなかったというのが、多くの一般的学校の現実であろう。ことに、都立校では慌ただしい形でこのブロック予選を迎えることになる。

都立東大和は、昨春はぎりぎりの人数で戦うことを余儀なくされた。かつては、西東京大会で2度決勝進出を果たすなどして‟都立の星”という呼称も冠されていた存在だ。春季関東大会も準優勝して関東大会進出という実績もある。そんな歴史と伝統も背負っているが、このところはやや部員も集まりにくくなっているという現実は否めない。それでも、当時の故佐藤道輔監督の意思を継承して、会場校としての責任も果たしている。今大会は昨秋に続いて12人で挑む戦いだ。

そんな都立東大和に挑む形になったのが、JR福生駅からあきる野市民球場に向かう途中に学校がある地元の都立福生。昨秋は1次ブロック予選の初戦で帝京八王子に競り負けている。それだけに、何とかこのチームでの、公式戦初勝利を得たいところである。

都立東大和も、昨秋は初戦では都立国分寺を6対3と下したものの、代表決定戦では駒場学園に1対6で敗れた。三國力監督は、「人数は12人ですけれども、気持ちの入った12人です。誰が出てもそん色ないチームになっています」という思いで仕上げてきた。

都立東大和の先発は新2年生の左腕・忌部 柊哉投手。初回に1死後、安打と四球で一、二塁とされたが、4番を併殺に打ち取ったことで落ちついて試合を作ることができた。都立福生の先発・新井 陽翔投手(2年)も、1回、2回といい感じで投げ、ある程度投手戦になっていくのではないかと思われた。

都立福生は3回、安打と四死球で1死満塁とすると、内野ゴロの本塁悪送球で幸運な先制点を手にした。しかし、その後は、忌部投手がしっかりと打たせて取ってこの回は1点のみだった。

その裏、2四球と失策で1死満塁とした都立東大和は、4番・倉田 真和の左犠飛で同点とする。さらに、続く桑原の三遊間をゴロで破る安打で逆転した。4回にも、都立東大和は4四球の押し出しで追加点を得る。都立福生の新井投手としては、痛い制球の乱れとなった。コースを狙いすぎた感じで微妙に外れていって、そのことで自らペースを崩してしまってという感じでもあった。

これで試合の流れは都立東大和となった。6回にも2四球と相次ぐ捕逸で走者が進み、倉田の右前への2点適時打に、失策もあってこの回3点。7回にも1番・相田の適時打などで2点を追加。そして、8回には倉田が中越え三塁打を放つと、都立福生の永島良明監督は2敬遠で満塁策をとったが、7番・安田が中前打を放って、万事休すの7点差のコールドゲームとなった。

終わってみれば、都立東大和の勢いと、ここぞというところで攻め入ってく集中力もあって、コールドゲームということになった。4番、5番で5打点。しっかり打つべき選手が、ここぞというところでいい仕事をしたということだった。
三國監督は、「春の初戦は、やっぱり緊張しますね。最初は硬かったかなというところもあったのですが、徐々にほぐれていきましたね。大事なところで失策が多かったのは、今後のポイントとなっていきます。そこを修正して、何とか都大会には進出したい」と、思いを口にしていた。

この記事の執筆者: 手束 仁

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