センバツ3年連続出場の高知「二段モーション解禁」駆使し練習試合は松山聖陵に連勝
高知の第1試合先発・辻井翔大(3年)
〈2024センバツ出場校練習試合:高知2-1松山聖陵、高知7-1松山聖陵〉♢3月2日♢練習試合♢高知市東部野球場)
3月2日に全国各地で高校野球練習試合が解禁した。3月18日に阪神甲子園球場で開幕する選抜高等学校野球大会への出場が決まっている高知(高知)は、春夏合わせて2度の甲子園出場経験を持つ松山聖陵(愛媛)を迎え、ダブルヘッダー2試合の練習試合を行った。
第1試合では、昨秋四国大会優勝の原動力となった最速145キロ右腕・辻井 翔大投手(3年・174センチ75キロ)と最速148キロ右腕・平 悠真投手(3年・183センチ84キロ)の高知が誇るダブルエースが登板した。
先発した辻井は初回こそ二死から四球、けん制失策の後、松山聖陵4番の狩俣 宏箕内野手(3年)に右中間を破られる適時二塁打を許したものの、「フォームの修正ができた」と、2回以降は 危なげない内容で5回67球を投げ1安打1四球3奪三振1失点。「もともと二段モーション気味のフォームだったが、今回のルール変更で股関節にしっかり入ってから投げられるようになった」と、今大会から採用される二段モーション解禁にも手ごたえを得る内容となった。
7回から登板した平は3回で41球を投げ5安打を許すもピンチではギアを上げ2奪三振無失点。NPBスカウトのスピードガンでも144キロを計測した。「個人目標は150キロを出すことだが、マウンドではそこは意識せず勝つことを最優先に考えて日本一に貢献したい」と意気込みを示す平だが、松山聖陵打線に対する粘投はセンバツへの格好の実戦練習となったに違いない。
一方、高知攻撃陣は各人が変化球での決め球を有する松山聖陵の継投に苦しみ、7安打2得点。それでも4回裏には犠打を絡め下位打線で同点に追いつくと、6回裏には脚を絡めた後に片井 翔太捕手(2年)の適時打で勝ち越した。
その他にもランエンドヒットや盗塁、代打策を適材適所で用いるなど、高知中監督時代は策士として鳴らした濵口 佳久監督のベンチワークが随所に。新規格金属バット使用により大きな要素を占めることになるであろう「高校野球的戦術」を多彩に用いる戦い方は、センバツでも高知が勝ち抜く土台となる。
なお高知は、「5人くらいの枠が最終的には決まっていない」(濵口監督)ベンチ入り20名の争いもいまだ熾烈。第2試合で先発4回を投げわずか39球で1安打4奪三振無失点の快投を演じた今村 祐斗投手(3年)をはじめ、秋の公式戦で出場のなかった選手たちの台頭も楽しみだ。
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