News

侍ジャパン選出大学生4人組を「ハンカチ世代」の元プロが徹底分析! 「4人をプロのキャンプに派遣すべきだ!」

2024.02.17


左から西川史礁、宗山塁、金丸夢斗、中村優斗

2月14日、侍ジャパンは3月6、7日に開催される侍ジャパン日本代表vs欧州選抜の出場選手が発表され、4人の大学生が選ばれた。

金丸 夢斗投手(神港橘-関西大)
中村 優斗投手(諫早農-愛知工業大)
宗山 塁内野手(広陵-明治大)
西川 史礁外野手(龍谷大平安-青山学院大)

このサプライズ選出に、2012年から2014年までDeNAで投手としてプレーしていた冨田 康祐氏は「当時、僕が青山学院大に在籍していた当時からすれば、なかなか考えられないことですし、井端(弘和)監督が大学生をフル代表に呼んだ事はすごいことだなと思っています」と驚いている。

冨田氏はPL学園では前田健太投手(デトロイト・タイガース)と同期で、大学では東都一部の青山学院大でプレーした。
このいわゆる“ハンカチ世代”の大学トップレベルには、元日本ハムの斎藤佑樹氏(早稲田実業-早稲田大)、ロッテの澤村 拓一投手(佐野日大-中央大)、ソフトバンク・柳田 悠岐外野手(広島商-広島経済大)といった豪華な顔ぶれがそろっており、青山学院大の同期には元ロッテの小池翔大捕手(常総学院)、下水流 昂外野手(横浜)もいたが、彼らはフル代表に選ばれていない。

井端監督の4人の選出について、「大学球界のレベルも上がっていますし、アマチュア野球の今後の発展、いい目標になってくれたらいいかなと思っています。それと、今回選出した4人は、必ず今後の日本を背負って立つような選手になってくれると信じて呼びました」と会見で語っている。

この発言に冨田氏は驚いたという。
「ほかの大学生にとっても刺激になるでしょうね。『自分たちも続きたい』とフル代表を目指す選手たちもでてくるので、大学野球界にとっても良いことです。
井端さんが大学代表候補合宿に足を運んで、実際に見たうえで選んだ選手たちです。先程も話したように、トップチームの監督が直接、大学生を見て選出するのは僕たちの時代では考えられませんでした。
将来トップチームに入ってもらう。そこまで見据えての招集かもしれない。井端監督、侍ジャパンチームの広い視野に驚かされました」

元プロが見た飛び級4人組の評価は?

続いて選ばれた選手について冨田氏チェックをしてもらった。まず金丸、中村の2投手について。153キロ左腕・金丸を高く評価している。
「投球練習から良い雰囲気で投げているのを感じました。ストレート、変化球も腕を振って投げることができています。変化球を投げると打者はタイミングを外されて、凡退になっていました。
金丸投手は打者にタイミングを取らせない投球ができています。打者の反応を見ると、投げているストレートのほとんどがファウルになって差し込まれていますし、ストレートだけではなく、緩いカーブ、チェンジアップを投げている。スキがない投手ですよね」
プロでの活躍の可能性についても、「こうしたテクニックを秘めながら左で150キロ以上のストレートを投げられる。一軍で十分に活躍できると思います」と分析した。

中村についてもこう語る。
「やはりストレートのスピードですね。最速157キロを出した試合では、ほとんどが150キロ中盤のストレートを投げることができていました。純粋にストレートの速さが凄いのと、スライダーの使い分けが上手いですよね。また私が見た試合は走者を背負う場面がありましたが、動じずに落ち着いて投げる事ができたのも良いと思います」

プロや一軍での活躍する可能性については「もちろん中村投手も一軍で活躍できるポテンシャルはあります」と評価しつつも、こう注文をつけた。
「打者が中村投手の速度に対して、あまり苦にしていないのが気になりました。金丸投手は空振りが取れていて、打者がタイミングを取ることに苦労していました。しかし中村投手はストレートが前に飛んでいることが結構ありました。課題ではありますが、逆に伸びしろで、ストレートをより速く感じさせるような技術、駆け引きを覚えたら、もっと打たれにくい投手になると思います」

富田氏の青山学院大の後輩である西川についてもエールを送る。
「ものすごい良いスイングをしています。常に振り切っているのがとても良いです。過去の青山学院大出身のスラッガーである杉本裕太郎選手(オリックス)、吉田正尚選手(レッドソックス)のようなスケールの大きい選手になってほしいと思います」

また宗山についても、定評のある守備を手放しでほめる。
「映像などをみると、守備がものすごく安定していますね。動作が柔らかいですし、スローイングが安定していて凄い。投手からすれば安心する守備だなと思います」

冨田氏は、今回代表には選ばれなかったが、もうひとり注目する大学生がいる。
「その中でも目を惹いたのが大阪商業大の渡部(聖弥)選手です。彼も凄く良いスイングをしていました。今の大学生のレベルの高さを感じました」
渡部は関西六大学でリーグ通算7本塁打、89安打を記録しているスラッガーで、大学3年には宗山、西川とともに大学日本代表にも選ばれている。

 

金丸 夢斗(関西大)

宗山 塁(明治大)

次のページ:プロ春季キャンプへのアマチュア選手派遣を復活せよ!

固定ページ: 1 2

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.18

桐光学園16強進出! 継続試合も「学校に戻り対策を練った」法橋が投打に活躍、スクイズ失敗直後にタイムリー「なんとしてもカバーしたかった」【神奈川大会】

2024.07.18

花咲徳栄、エースが「ほぼストレートだけ」で1イニング三者連続三振!148キロ右腕・上原堆我が夏に見せた進化【埼玉大会】

2024.07.17

長野8強決定!松商学園、長野日大、東海大諏訪、佐久長聖などが勝ち上がる【2024夏の甲子園】

2024.07.18

向上が3年ぶりのベスト8!2回裏に同点本塁打で勢いづき、藤沢翔陵を圧倒

2024.07.17

【全国注目シード校・成績速報】神奈川では2校が4回戦で姿を消す、大阪、島根ではシードに明暗、昨夏初戦敗退の智辯和歌山はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.13

四国の夏を盛り上げる逸材20名! 全国注目の四国BIG3から「東大野球部か医者か」の秀才、名門・池田の小さな大エースまで【逸材選手リスト】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.13

モイセエフ擁する豊川、初の夏の甲子園へ戦力向上中! カギは超高校級スラッガーの前、投手陣は急成長 センバツの雪辱をはたすか!?【注目チーム紹介】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」