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【高校野球ベストシーン’23・滋賀編】ルーズヴェルトゲーム8対7、壮絶な打撃戦となった近江と滋賀学園の夏決勝

2024.01.18


2024年が幕を開け、センバツの足音も聞こえはじめてきた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があったが、都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。

【選手権滋賀大会決勝・近江vs.滋賀学園】

野球のスコア「8対7」をルーズヴェルトゲームと呼び、一番面白いゲームと言われている。それが、昨年夏の滋賀大会決勝で披露された。

滋賀学園が1回に犠飛で1点を先制するも、2回に近江が同点に追いつく。3回に1点を勝ち越した近江は、6回に集中打を見せる。中村 駿介内野手(2年)の左翼越えの3点適時二塁打などで5点を追加。7対1と大きくリードを奪った。

近江は大会中止となった2020年を除いて、2018年から滋賀の夏を4連覇していた。この夏も6回が終わって6点差と、近江が5連覇に向かって突き進んでいくものと思われたが、滋賀学園が意地を見せる。

直後の7回に一気に4得点。7回に1点を追加されたが、8回には2点を追加して8対7と、ついに1点差まで詰め寄った。勝てば甲子園出場が決まる大一番。簡単に負けるわけにはいかない、滋賀学園ナインの気持ちが込められた追い上げだった。

近江滋賀学園。これまでも数々の好ゲームを演じてきた。23年春季大会決勝で対戦し、近江が4対3で勝利。8回に1点差をひっくり返した逆転ゲームだった。21年秋の準決勝は滋賀学園が6対5で勝利。延長12回タイブレークの末に滋賀学園がサヨナラ勝ちした。20年秋季大会でも決勝で対戦し、滋賀学園が5対4で勝利。9回土壇場で近江に追いつかれたが、その裏に1点を奪ってサヨナラ勝ちしていた。ここ3回の対戦ではすべて1点差の好ゲームだった。

両者の意地がぶつかりあった昨年夏の決勝だった。滋賀学園は1点ビハインドの9回、無死二塁の絶好のチャンスをつかむ。しかし、後続が続かず1点に泣いた。8対7。壮絶な打撃戦の結末は、わずかな差で夏5連覇を達成した近江ナインの歓喜で締めくくられた。

<全国高校野球選手権滋賀大会:近江8ー7滋賀学園>◇2023年7月28日◇決勝◇マイネットスタジアム皇子山

滋賀学園スタメン
(二)多胡 大将(2年)
(三)國仲 優星(2年)
(遊)岩井 天史(2年)
(一)外山 櫂(3年)
(右)木谷 颯太(3年)
(左)西村 莉琥(3年)
(捕)杉本 晴基(2年)
(中)井上 幹太(3年)
(投)大城 海翔(3年)

近江スタメン
(右)清谷 大輔(3年)※東海大進学予定
(左)嶋村 隆吾(2年)
(三)中村 駿介(2年)
(遊)横田 悟(3年)※國學院大進学予定
(一)山田 修斗(3年)
(二)中川 慶信(3年)
(捕)塚脇 柊太(3年)
(投)西山 恒誠(2年)
(中)小竹 雅斗(3年)※神戸学院大進学予定

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

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