News

【高校野球ベストシーン’23・大分編】両雄ともに死力を尽くした好ゲーム、明豊が大分舞鶴に逆転勝ちした準決勝

2024.01.10


西川 昇太(明豊)

2024年が幕を開けた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。

【選手権大分県大会準決勝・明豊vs.大分舞鶴】

手に汗握る好ゲームとはこのことだろう。昨年、大分の夏準決勝で、明豊はわずか1点差で大分舞鶴を逆転して決勝に進んだ。7回まで無失点だった明豊打線が、苦しみながら8回のワンチャンスを生かしての勝利だった。

大分舞鶴の先発、糸永 遼太郎投手(3年)に苦しんだ。球速120キロ台の直球と、多彩な変化球を操る左腕に、7回まで凡打の山を築いてしまった。6回には2四球と失策がからんで、犠飛で1点を先制された。相手に流れをもっていかれていたが、8回に西川 昇太内野手(3年)の左翼線への三塁打と、高木 真心外野手(2年)の中前打で2得点。遅い球を引っ張って凡打に終わっていた明豊打線が、ひきつけての逆方向への打撃で勝利をもぎ取った。

明豊大分舞鶴。20年秋以降、「ライバル」としてしのぎを削る相手となっている。22年センバツは、明豊が出場できなかったが、大分舞鶴が21世紀枠で出場している。対戦成績は以下の通り。

20年秋 準々決勝 明豊13-2大分舞鶴
21年夏 決勝 明豊6-0大分舞鶴
21年秋 決勝 明豊10ー9大分舞鶴
22年夏 決勝 明豊12ー3大分舞鶴
23年春 準決勝 大分舞鶴4-3明豊
23年夏 準決勝 明豊2-1大分舞鶴

この春は糸永が先発した大分舞鶴明豊を破っていた。自信をつけて臨んだ今年の夏だったが、またも大きな壁の前に泣いた。

明豊は、決勝で大分商に快勝し、県勢初の3連覇を達成した。大分舞鶴という「宿敵」の存在を糧にチーム力を上げてきた結果でもあった。

23年秋も、この2チームは決勝で対戦。結果は明豊が6対2で勝利した。明豊は九州大会で準優勝を果たし、センバツ出場に大きく前進した。大分舞鶴は8強で、「有力」の切符まであと一歩だった。今後も2チームの対決から目が離せない。

<全国高校野球選手権大分大会:明豊2-1大分舞鶴>◇2023年7月24日◇準決勝◇別大興産スタジアム

大分舞鶴スタメン
(右)阿部 泰己(3年)
(投)糸永 遼太郎(3年)
(捕)児玉 陽悠(3年)
(遊)野上 大耀(2年)
(左)成松 尚導(2年)
(一)渡邊 蒼汰(3年)
(二)後藤 駿太(3年)
(三)安部 烈光(3年)
(中)首藤 凌空(3年)

明豊スタメン
(右)髙木 真心(2年)
(捕)義経 豪(3年)※日本大進学予定
(三)柴田 廉之助(3年)
(中)西村 元希(3年)※立正大進学予定
(一)石田 智能(2年)
(左)木下 季音(3年)
(二)高橋 佑弥(3年)
(遊)西川 昇太(3年)
(投)中山 敬斗(3年)

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.18

神奈川20日に準々決勝!春の王者・武相は唯一のノーシード横浜隼人と、横浜は秋の王者・桐光学園と対戦

2024.07.18

熊本で8強決定!九州学院、熊本工らが進出、進学校・熊本の粘りもあと1歩届かず【2024夏の甲子園】

2024.07.18

兵庫では報徳学園、東洋大姫路がベスト16入り、甲南が9回3点差逆転のサヨナラ勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.18

大分では明豊、大分、津久見などベスト16決定!高田、大分上野丘の快進撃に期待【2024夏の甲子園】

2024.07.18

栃木16強決定!白鷗大足利を破った波乱の主役・鹿沼商工の快進撃に期待【2024夏の高校野球】

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.13

四国の夏を盛り上げる逸材20名! 全国注目の四国BIG3から「東大野球部か医者か」の秀才、名門・池田の小さな大エースまで【逸材選手リスト】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.13

モイセエフ擁する豊川、初の夏の甲子園へ戦力向上中! カギは超高校級スラッガーの前、投手陣は急成長 センバツの雪辱をはたすか!?【注目チーム紹介】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」