【大学野球・仙台六大学】2回戦 仙台大 vs 宮城教育大
仙台大は苦しみながらも開幕連勝 ルーキー佐藤幻瑛が無四球で8回1失点
<仙台六大学野球秋季リーグ:仙台大4-1宮城教育大>◇27日◇2回戦◇東北福祉大
仙台大は宮城教育大に苦戦を強いられながらも勝ちきり、開幕連勝を飾った。今秋初先発のルーキー右腕・佐藤 幻瑛投手(1年=柏木農)が8回7安打1失点(自責0)と好投。打線は中盤まで相手先発・柿崎 光希投手(3年=新庄北)を打ちあぐねるも、5回に4番・平野 裕亮外野手(3年=山村学園)の2点適時打で逆転すると、8回には2点を加え突き放した。
佐藤幻は140キロ台中盤~後半の直球とスライダー、カットボールなどの変化球を駆使した落ち着いた投球で試合をつくった。本人は2、3、4回と立て続けに先頭打者に出塁を許したことを反省した一方、「与四死球0」の投球には「成長した部分。今後も続けたい」と手応えを感じていた。球数も97球と少なく、春からの成長を示す内容だった。
今春は7試合に先発登板し3勝を挙げるも、防御率は3.38でこの数字には納得がいかなかった。今秋は「防御率2点以下」を目標に設定し、夏のオープン戦では「0にこだわる」投球を意識してきた。春は四球をきっかけに失点するケースが多かったと自己分析し、この日は逆に四球を減らせれば失点を最小限にできると再確認した。全日本大学野球選手権でマークした自己最速152キロを上回る球速を追い求めつつ、防御率の改善を目指す。
平野は1点を追う5回、2死二、三塁の好機でフルカウントから右前に抜ける安打を放ち、これが殊勲打となった。3年生ながら現役最多安打を誇る平野は前日2安打、この日も2安打と早くも安打量産体制に入っており、通算安打数を59まで伸ばした。1年次に打ち立てた目標は「通算100安打」。仙台六大学野球の長い歴史の中で4人しか達成していない数字に、着々と近づいている。
今秋は高校の1学年先輩で不動のリードオフマンだった川島 優外野手(4年=山村学園)がケガで出遅れている。平野は「高校、大学とずっと一緒にプレーしてきて、最後も一緒にやりたかった」と唇を噛む一方、「(川島が)帰ってくるまでは負けられない」との思いを抱いてリーグ戦に臨んでいる。
特に中堅手・平野と左翼手・川島のコンビネーションは抜群で、声かけも必要ないほどの関係だ。ただ、あらゆる選手が左翼を守る今は「引っ張る立場」。一緒に守る選手がプレーしやすいよう、大きな声を出して守備についている。先輩の復帰を信じ、平野が攻守でチームを牽引し続ける。
(取材=川浪康太郎)