【甲子園】1回戦 沖縄尚学 vs いなべ総合
東恩納 蒼(沖縄尚学)
沖縄尚学のプロ注目右腕・東恩納が甲子園初完封!今夏40.1回連続無失点の快投
<第105回全国高校野球選手権記念大会:沖縄尚学3ー0いなべ総合>◇11日◇2回戦◇甲子園
南国の怪腕がようやく本領を発揮した。沖縄尚学(沖縄)の右腕エース、東恩納 蒼投手(3年)が、三重代表のいなべ総合を相手に8安打完封勝利。昨年から期待されていた147キロ右腕が、その実力の高さを大舞台で証明してみせた。
初回から腕を振った。1回先頭打者への初球は143キロ。様子を見るようなそぶりはまったくなく自慢の速球でグイグイ打者を攻めた。
2回以降は毎回走者を背負う苦しい投球にも、決して本塁を踏ませなかった。最大のピンチは3対0で迎えた6回1死満塁。一気にたたみかけられてもおかしくない状況だったが、2者連続で空振りの三振で切り抜けた。最初の打者には3球目に142キロの直球を見せた直後に外角低めのスライダーで空振り三振。2人目は、3球目に145キロを投げてからの、外角スライダー。明らかなボールだったが、打者のバットは止まらなかった。速い直球を意識づけた上での変化球は効果抜群だった。
ベンチから見守った比嘉監督も目を細めただろう。東恩納への要求として、直球の威力に磨きをかけること、直球を主体とした攻めの投球を挙げていた。自身、沖縄尚学の左腕エースとしてセンバツ優勝を遂げたときも、右打者のふところへズバッと投げる直球が真骨頂でもあった。ソフトバンクで活躍する沖縄尚学OBの東浜 巨投手を甲子園優勝投手に育て上げた比嘉監督の指導のもと、東恩納もしっかりと成長を見せつけた。
打線では1番・知花 慎之助外野手(3年)が貴重な2点適時二塁打を放った。今センバツでは3試合で2安打しか打てず、力を発揮できなかった悔しさを夏の舞台では初戦からさく裂させた。
東恩納は沖縄大会で5試合31.1回を無失点。この日の完封で40.1イニング連続無失点とさらに伸ばした。この夏、防御率0.00右腕が、さらに無失点イニングを伸ばして勝利を積み重ねていく。