試合レポート

【甲子園】1回戦 沖縄尚学 vs いなべ総合

2023.08.11

東恩納-蒼(沖縄尚学)
東恩納 蒼(沖縄尚学)

沖縄尚学のプロ注目右腕・東恩納が甲子園初完封!今夏40.1回連続無失点の快投

<第105回全国高校野球選手権記念大会:沖縄尚学3ー0いなべ総合>◇11日◇2回戦◇甲子園

南国の怪腕がようやく本領を発揮した。沖縄尚学(沖縄)の右腕エース、東恩納 蒼投手(3年)が、三重代表のいなべ総合を相手に8安打完封勝利。昨年から期待されていた147キロ右腕が、その実力の高さを大舞台で証明してみせた。

初回から腕を振った。1回先頭打者への初球は143キロ。様子を見るようなそぶりはまったくなく自慢の速球でグイグイ打者を攻めた。

2回以降は毎回走者を背負う苦しい投球にも、決して本塁を踏ませなかった。最大のピンチは3対0で迎えた6回1死満塁。一気にたたみかけられてもおかしくない状況だったが、2者連続で空振りの三振で切り抜けた。最初の打者には3球目に142キロの直球を見せた直後に外角低めのスライダーで空振り三振。2人目は、3球目に145キロを投げてからの、外角スライダー。明らかなボールだったが、打者のバットは止まらなかった。速い直球を意識づけた上での変化球は効果抜群だった。

ベンチから見守った比嘉監督も目を細めただろう。東恩納への要求として、直球の威力に磨きをかけること、直球を主体とした攻めの投球を挙げていた。自身、沖縄尚学の左腕エースとしてセンバツ優勝を遂げたときも、右打者のふところへズバッと投げる直球が真骨頂でもあった。ソフトバンクで活躍する沖縄尚学OBの東浜 巨投手を甲子園優勝投手に育て上げた比嘉監督の指導のもと、東恩納もしっかりと成長を見せつけた。

打線では1番・知花 慎之助外野手(3年)が貴重な2点適時二塁打を放った。今センバツでは3試合で2安打しか打てず、力を発揮できなかった悔しさを夏の舞台では初戦からさく裂させた。

東恩納は沖縄大会で5試合31.1回を無失点。この日の完封で40.1イニング連続無失点とさらに伸ばした。この夏、防御率0.00右腕が、さらに無失点イニングを伸ばして勝利を積み重ねていく。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】出水工が延長に及ぶ激戦を制して、サヨナラ勝ち

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】樟南vs鹿児島商 かつて「御三家対決」は、樟南が逆転勝利!

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実が大島に完封勝利

2024.05.22

【春季関東大会】センバツVの両エース打ちで勝利に貢献!逆転タイムリー放った池田翔吾(常総学院)は指揮官も絶賛の打棒の持ち主!

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商