12球団唯一35歳以上不在の阪神、ベテラン西の復調に期待
西 勇輝
プロ野球も前半戦が終了し7月19日、20日にはオールスターゲームが行われた。第1戦では42歳の大ベテラン、ソフトバンク和田 毅投手(浜田高出身)が4番手として登板。1回無失点、1奪三振と好投。また、39歳の西武・中村 剛也内野手(大阪桐蔭出身)もヒットを放ち、さらには三塁走者としてタッチアップ時に激走も見せた。
和田や中村のようなベテラン選手は各球団に多くいる。そんな彼らはどのような前半戦を過ごしたのだろうか。各球団における35歳以上のベテラン選手たちの前半戦を振り返ってみたい。(※35歳以上は1988年12月31日までに生まれた選手とする)
2023年シーズン、阪神に35歳以上の選手は1人もいない。2020年シーズン以降でかなり若返りを図った。2020年シーズンオフには福留孝介(当時43歳)、能見篤史(当時41歳)、藤川球児(当時40歳)、岡崎太一(当時37歳)が退団。
2021年シーズンオフには中田賢一(当時39歳)、岩田稔(当時38歳)、桑原謙太朗(当時36歳)がチームを去った。そして昨シーズンは糸井嘉男(当時41歳)と外国人選手のチェン・ウェイン(当時37歳)が退団している。
その結果、2023年シーズンの最年長は投手陣が今年33歳となる二保 旭投手(九州国際大付出身)と西 勇輝投手(菰野出身)だ。全12球団で35歳以上の選手が1人もいないのは阪神だけ。ベテラン不在の中、優勝争いを繰り広げていることになる。
最年長となった2人の成績を見ると、二保はここまで1軍での登板がない。2軍では中継ぎとして27試合に登板。23.1回を投げ防御率8.49とかなり苦しんでいる。1軍の中継ぎ陣は層が厚く、かなり苦しい状況だ。
一方の西 勇輝は13試合の登板で5勝5敗。72.2回を投げ防御率4.83の成績。12年連続100投球回以上かつ5年連続で規定投球回に到達している右腕だが、7月4日の広島戦(マツダスタジアム)で3回6失点と打ち込まれた翌日に登録を抹消されてからは登板がない。
1軍の先発ローテーションを見ると村上 頌樹投手(智辯学園出身)、大竹 耕太郎投手(済々黌出身)、伊藤 将司投手(横浜高出身)の3人が柱となり、西 純矢投手(創志学園出身)ら若手も順調。さらには青柳 晃洋投手(川崎工科出身)も1軍に復帰している。実績のある西 勇輝といえども、無条件で戻ってこられるわけではない。
しかし順位争いの激しくなってくる後半戦は、ここまでに疲れが一気に出てくる時期。頼りになるベテランが1軍にいるだけで雰囲気も変わってくる。復調した西勇輝が最年長としてチームを引っ張ることに期待がかかる。
<阪神の35歳以上の所属選手>
※1988年12月31日までに生まれた選手
不在
・最年長
二保旭(1990年5月18日生)
西勇輝(1990年11月10日)
※数字は2023年7月27日時点