生光学園・川勝 空人が安樂(済美)以来の四国地区2年夏前での150キロに到達!
![](https://d3gsx8ol6pujbh.cloudfront.net/wp-content/uploads/2023/06/四国地区2年生夏前時点で2013年の済美・安樂-智大(現東北楽天)以来の150キロをマークした生光学園・川勝-空人(2年)-scaled.jpg)
<高校野球練習試合:生光学園7-0多度津>◇17日◇生光学園グラウンド
昨年、1年生にして秋の徳島県大会で早くも147キロをマークし注目を集めた生光学園(徳島)の右腕・川勝 空人投手が、練習試合の多度津(香川)戦で150キロの大台を突破した。
今春の徳島県大会でも146キロを連発しチームのベスト4進出に貢献した剛腕は、2013年に、楽天の安樂 智大投手が済美(愛媛)時代に出した152キロ以来、10年ぶりとなる「四国地区高校生2年夏前の150キロ」を達成した。
先発登板したこの日は、春以降にマスターした縦スライダーやスプリットなども交え、序盤から安定した投球でスコアボードに0を並べていた。5回には死球などで2死二、三塁のピンチを招くが、幸島 博之監督が「ピンチでギアを変えて投げられるようになった」という長所を生かして空振り三振で切り抜けた。プロ注目の最速146キロ右腕、多度津・高橋 快秀投手(3年)が登板した6回以降も、常時140キロ後半をマークした直球の勢いは衰えなかった。
6対0のリードで迎えた8回無死二、三塁のピンチで、「その時」が訪れた。ギアをさらに上げた川勝は、自己最速タイの148キロに続き、自己最速となる149キロを連発して1、2番から連続三振を奪うと、3番打者の5球目に3球団がつめかけたNPBスカウト陣のスピードガンで150キロを計測。次の球の直球で3連続三振締めした川勝は、結局8回を投げ118球2安打13奪三振と圧巻の投球を見せた。
この内容を現地で視察した広島の白武 佳久スカウト部長は「腕の振りや球のキレがいい。まだインコースへの抜け球や制球の乱れはあるが、下半身を鍛えれば、そこも安定してくると思う。来年が楽しみ」と川勝を高く評価した。川勝自身も「150キロの実感はなかったが、昨秋から積み上げてきたことが成果として出たことはよかった」と充実の表情で語った。
26日に組み合わせ抽選会が行われ、7月8日には徳島県鳴門市のオロナミンC球場で開幕する「第105回記念全国高校野球選手権徳島大会」ではノーシードスタートとなる生光学園。「昨秋も今春も(今大会第1シードの)鳴門に敗れているので、シード校を倒して甲子園に行きたい」。そう話す川勝と生光学園の悲願が叶えられた時には、2年夏の愛媛大会で驚愕の157キロをマークした安樂以上の驚きが待っていることだろう。
(取材=寺下 友徳)