都立国立vs都立町田
部員12人の都立町田 積極的に攻めて都立国立を破る
国立・井上虎太郎
<春季高校野球東京都大会:都立町田8ー3都立国立>◇3日◇1回戦◇コトブキヤスタジアム
都立高校の教師にとって、4月は異動の季節だ。都立町田の豊田慎之介監督も、都立国立の堀田一弘監督も、前任者の移動に伴い、この春監督に就任した。町田の豊田監督は、もともと助監督などでチームにかかわってきたが、都立小平南の監督などを歴任した都立国立の堀田監督は、4月1日に就任したばかり。3日目で、もう公式戦を迎えることになった。
先制したのは2、3年生の部員12人の都立町田だった。1回裏、重盗などで2死二、三塁のチャンスを作り、5番・丸田 琥之介の中前安打で2人が還った。
3回裏も右前安打の磯屋 遥大が二盗して3番・山口 奏多の二塁打で生還した。
積極的な攻めで都立町田が試合をリードしたが、都立国立も4回表に反撃する。6番・井上 虎太郎が二塁打で出塁すると、敵失もあって生還した。さらに1死一、三塁のチャンスを作り1番・家木 誉史の左前安打で1点差に迫った。
5回表も3番・尾関 裕輝が右前安打で出塁し、二盗に4番・荒川 佳の一ゴロで三塁に進み、5番・小林 誠英のスクイズで同点に追いついた。
しかし都立町田はその裏の攻撃で突き放す。2番・森川 幹介が左前安打で出塁すると、3番・山口は高めの球をたたいて左中間に安打。森川が一気に生還して、都立町田が勝ち越した。
それにしても山口は、都立国立の捕手が立ち上げるほどの高めの球を、外野まで飛ばした。「うしろにつなぐつもりで打ちました。高めの球は、得意です」と山口は言う。豊田監督は、「山口はセンスがいいです」と語る。
再度勝ち越しを許した都立国立は走塁ミスもあって攻めあぐむ。都立町田は7回裏に丸田の三塁打に、8番・北原 想太が2ランスクイズを決めるなど、一挙4点を入れて勝負を決めた。2ランスクイズを決めたエースの北原は、粘り強い投球で9回を投げ切った。
この試合、目立ったのは都立町田の積極的な走塁だった。「アウトになってもいいから、行っていいと言っています」と豊田監督は言う。ただ部員が少ないだけに、走塁練習などは工夫してやっているようだ。2回戦は部員が多い強豪の日大鶴ヶ丘と対戦する。強豪相手にどう立ち向かうのか。豊田監督は「自分たちのできることをしっかりやりたいです」と語った。
一方、敗れた都立国立は堀田新監督の体制が始まったばかり。「ポテンシャルは高い子は多いので、戦い方を覚えるため、実戦的な練習を取り組んでいきたいです」と堀田監督は語った。