【動画】報徳学園がサヨナラで4強入り NPBさながらのチーム運営で「逆転の報徳」は進化した
第95回記念選抜高校野球大会は29日、準々決勝が行われ、報徳学園(兵庫)が延長10回のタイブレークの末に仙台育英(宮城)を破って、ベスト4入りを果たした。
6年ぶりの準決勝進出。当時は永田裕治監督(現日大三島)が指揮を執っていた。大角健二監督は2017年のセンバツを終えてから監督に就任すると、2018年に夏の甲子園に出場してベスト8入りして結果を残したが、それから今大会まで全国の舞台から離れていた。
今大会、久々に全国の舞台となったが、この空白の期間にチーム運営を改革し続けていたことが、今大会の強さを生み出したともいえる。
投手、野手それぞれでメニューを編成。投手は3、4つ、野手は6つのチームに分散してそれぞれで練習メニューを組む。しかも1週間単位とNPBさながらのチーム運営だ。
部員数の多い報徳学園だからこそ成り立つシステムだが、寮がないため練習時間には制限があり、グラウンドは他部活と共用という練習環境に課題がある報徳学園にとっては、逆に「最適なスタイル」だった。練習量とクオリティーの両立を実現することで、「ちょっとでも選手たちが上手くなる」チーム運営が仕上がった。
さらに今回に限っては、「履正社(大阪)や智辯和歌山(和歌山)と比較してもまだまだです」とフィジカルに課題を感じたことを受けて、トレーナーと相談しながら週2日のオフを各班ごとに編成して、しっかりと身体づくりができるようにしてきた。この結果が、今回のベスト4に繋がったかもしれない。
2018年の夏の甲子園からおよそ5年、苦汁をなめて試行錯誤したからこそ、全国の舞台で躍動していると言っても過言ではない。3試合中2試合がサヨナラ勝ちと、「逆転の報徳」と呼ばれるほどの粘り強さは健在だ。進化して甲子園に帰ってきた「逆転の報徳」が、昨年秋の近畿大会決勝で敗れた大阪桐蔭(大阪)へリベンジなるか、31日の準決勝も見逃せない。