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首位通過!5大会連続で決勝トーナメント進出した日本の戦いぶりを振り返る

2023.03.14

4連勝を決めたオーストラリア戦

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山本由伸投手

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドで、侍ジャパンは4試合全勝で準々決勝進出を決めた。決勝トーナメント進出は5大会連続となる。

 4戦目の相手は、昨年強化試合をしたオーストラリア。今大会では、韓国に勝利するなど勢いに乗っていた。

 日本はオーストラリアの出鼻を挫くように、初回から攻め立てた。先頭のラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)が出塁し、近藤 健介外野手(ソフトバンク=横浜高出身)が繋いで、チャンスで大谷 翔平投手(エンゼルス=花巻東出身)を迎えた。今大会、打線を引っ張る大谷はこの場面で3ランを放ち、先制する。

 さらに2回にはヌートバー、近藤が連続適時打を放ち、オーストラリアを突き放す。4回にも大谷が押し出しとなる四球を選び、試合序盤で6点差とした。

 投げては山本 由伸投手(オリックス=都城高出身)が、4回を60球1安打8奪三振の完璧なピッチングを見せた。バッテリーを組んだ中村 悠平捕手(ヤクルト=福井商出身)も、相手打者の反応や配球のバランスが素晴らしかった。このこともあり、多少の抜け球でもオーストラリア打線は、打ち損じていたのもあるだろう。

 その中村は、バットでも結果を残す。5回に1死一、二塁からタイムリーを放ち、7点差とした。中村は3安打猛打賞を記録し、打率を.600にまで上げた。8番・中野 拓夢内野手(阪神=日大山形出身)と9番・中村の流れでチャンスを作り、上位で返す得点パターンも確立されていった。

準々決勝以降は負けない試合ができるかどうか

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村上宗隆内野手

 これまでの4戦を振り返ると、投手、野手ともに満遍なく起用できているのも大きい。守護神として期待されていた栗林 良吏投手(広島=愛知黎明出身)が、腰の張りのため離脱となったのは痛いが、投手陣はほぼ盤石な体制になっている。

 日本投手陣の平均球速は、152.2km/hを記録しており、ベネズエラやプエルトリコと比較しても、引けを取らないレベルだ。また、先発陣も残り3試合を考えると、1人が余るぐらいのレベルである。調子を考えると、準々決勝は大谷、準決勝と決勝は山本や佐々木 朗希投手(ロッテ=大船渡出身)を起用した方がいいだろう。韓国戦に先発したダルビッシュ 有投手(パドレス=東北高出身)は、準々決勝あたりの第2先発もありえるだろう。

 その他を見ても、東京五輪でフル回転の活躍をみせた伊藤 大海投手(日本ハム=駒大苫小牧出身)や宇田川 優希投手(オリックス=八潮南出身)、髙橋 宏斗投手(中日=中京大中京出身)、大勢投手(巨人=西脇工出身)あたりを上手く起用していくのもポイントだろう。

 また、併用されている捕手は準々決勝以降負けられない試合となると、中村を中心に運用していった方がいい。甲斐 拓也捕手(ソフトバンク=楊志館出身)がマスクを被った試合は、配球の割合が高かった直球を狙い打ちされていた。大谷や佐々木レベルの直球なら、1次ラウンドであれば長打はほとんどなかったが、準々決勝以降は相手のレベルも上がるため、非常に危険である。

 野手陣では、村上 宗隆内野手(ヤクルト=九州学院出身)が復調の兆しを見せ始めている。ヌートバー、近藤、大谷の1〜3番が、機能しているため、村上の調子が上がっていけば、さらに打線に厚みはできるだろう。

 また、大会前に不調だった山田 哲人内野手(ヤクルト=履正社出身)も中国戦とチェコ戦で適時打を放ち、国際大会の強みを見せている。どの選手よりも、国際大会の経験があることから、二塁手として固定していきたいところだ。山田を固定することにより、一塁手の起用は牧 秀悟内野手(DeNA=松本第一出身)を抜擢したい。中野と中村の8、9番も出塁できることから、全体的に切れ目がなくなっていることは大きい。

 懸念材料は、ディフェンス面である。源田 壮亮内野手(西武=大分商出身)がケガをしたことにより、センターラインを含めたディフェンス力は低下している。実際のところ、チェコ戦では守備の乱れで先制点を許している。

 これまで対戦した相手は、打線の力業で何とかなった部分はあったが、打線は水物でもあることや、準々決勝以降は徐々に平均球速を含めた投手力も上がるため、ロースコアゲームも頭に入れておきたい。そうなると、ディフェンス面のミスは致命的な問題になりかねない。

 前回大会の米国戦も、失策にはならなかったものの、松田 宣浩内野手(巨人=岐阜中京出身)への三塁ゴロでファンブルをしなければ、日本は勝てた可能性もあった。逆に金メダルに輝いた東京五輪では、出場国最少の失策1を記録。短期決戦では、いかにミスをしない野球をできるかが重要である。

 そのため、準々決勝以降は負ける確率を減らす戦い方ができるかどうかがポイントになっていくだろう。

(文=ゴジキ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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