桜美林vs東農大一
桜美林が着実に点を重ねて東農大一を7回コールドで破る 主将の先発吉田も7回無失点の好投でチームを牽引
桜美林 先発吉田啓人
<秋季高校野球東京都大会:桜美林7-0東農大一(7回コールド)>◇15日◇2回戦◇駒沢野球場
桜美林は、初戦の対駒込戦において9回1失点の好投を見せた先発吉田啓人投手(2年)が7回を無死点に抑え、打線も11安打7得点と投打にかみ合い東農大一を2回戦で破った。
2回、桜美林の攻撃は先頭の小平創捕手(2年)がエラーで出塁すると、6番の土田京平外野手(2年)がきっちりと送り7番・高橋優心内野手(2年)の右翼線に落ちる適時打で幸先よく先制する。
さらに3回、2死二塁という場面で4番・森口立希内野手(2年)が左適時二塁打を放ち追加点を奪う。続く5番の小平も右翼頭上を越える適時三塁打を放ってリードを3点に広げた。
主将を務める先発の吉田は、途中ピンチを作るものの気迫あふれる投球で要所を締め、7回を投げて5安打無失点の好投を見せた。
最後は7回に、2死一、二塁というチャンスで1番・香川太佑内野手(2年)に適時打が生まれ、東農大一を7対0の7回コールドで下した。
試合後、桜美林の片桐幸宏監督は「今日はクリーンアップが少し出なかったが、みんなが毎日打てるわけではない。その中で、他のメンバーがカバーできるか。今日はそこができていた」とメンバー全員での勝利と評価した。また、7回無失点と好投した先発の吉田については「立ち上がりに球数が増えてしまう」と次回への課題も残した。それでも、「吉田は最も勝ちたいという思いが伝わり、主将にも選んだ」とチームを牽引する選手として信頼は厚い。
新チームの方針に「超攻撃的野球」を掲げており、主将の吉田は「夏の西東京大会でベスト8を果たしたが、それ以上の成績を残すためにはどうすればよいのかをみんなで考えた」とその経緯を説明した。今日の試合でも、甘い球は初球から積極的にスイングし、守備でも攻めの姿勢で失策はゼロ。最後には、今大会の目標として「甲子園出場」を力強く語ってくれた。
一方、敗れた東農大一の山崎雄夫監督は今日の試合を振り返って「先制点を取れなかったことも大きいが、記録上には残らない守備のミスも含めてディフェンス面でのミスが多かった」と守備陣の課題を強調した。それでも、新チームについては「自分でよく考えて野球をしており、成長の意欲を感じる」と今後への期待も語った。
先発した笹木理一投手(2年)は、真っすぐに綺麗な立ち姿からサイドスローのように腕を横からしならせる変則フォームを身に着けた。笹木本人は「中学校3年生時にある程度の型ができた。立ちの姿を意識して今ではリリースも良い感覚で投げられている」と自身のフォームについて語った。今冬では「体重を増やして球速をさらにあげたい」という。一冬を越えた変則型左腕の成長に期待したい。
(記事=編集部)