暑い時期に適した夏野菜
夏に旬を迎える野菜は、暑い時期のコンディション調整に役立つ
皆さんは夏に旬を迎える野菜と聞いて何を思い浮かべますか? そもそも旬の野菜と聞いてもいまいちピンとこないかもしれませんね。旬とは「他の時期に比べて、特に新鮮に食べられる時期」のことを指し、季節ごとに旬の野菜も変化します。夏に旬を迎える代表的な野菜としては、きゅうりやナス、トマト、トウモロコシ、ゴーヤなどが挙げられます。
夏に旬を迎える野菜は、その時期に起こりやすいコンディション不良を整えるために必要な栄養素を含んでいます。暑い時期は脱水や熱中症、暑さによる夏バテなどに注意が必要ですが、夏野菜には水分やカリウムを含むものが多くあります。汗を大量にかくと水分とともにミネラル分も失われますが、特にカリウムが不足すると筋けいれんを誘発したり、脱力感を強く感じるようになったりします。夏バテ特有の食欲不振もカリウム不足がその一因として挙げられます。
夏野菜はトマトやキュウリなど生で食べられるものも多く、野菜に含まれる栄養素を手軽にとることができます。夏野菜の代表的なものを挙げてみます。
●きゅうり
水分を多く含む野菜(約96%)で知られているきゅうりは食べることで体を中から冷やす体温調節の役割があります。またミネラルの一つであるカリウムを多く含みますので、汗で排出されるカリウムを補給することができます。
●ナス
きゅうりと同じく9割以上が水分でできており、水分補給、カリウム補給に適しています。紫色の皮には抗酸化物質のポリフェノールが多く含まれており、激しい運動をした後に体内に発生する活性酸素による影響を抑え、疲労回復や抗炎症作用が期待できます。
●トマト
トマトは栄養価の高い野菜として知られ、ビタミンA、ビタミンC、カロテン、リコピンなどを多く含みます。リコピンは、体内の免疫力や抗酸化作用を高める作用があり、加熱処理によって吸収率がアップすると言われています。
●トウモロコシ
エネルギー源となる糖質を含み、食物繊維が多いことでも知られています。ビタミンB1、B2などのビタミン群、
足のつりなど筋けいれんを抑えるカルシウムやマグネシウムといったミネラル分も含まれています。
●ゴーヤ
ゴーヤのビタミンCは加熱しても壊れにくいことが特徴としてあげられます。苦みが気になる人は、塩もみや水にさらしたり、軽く塩ゆでしてから使いましょう。また糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1や、カロテン、カリウムなどのミネラル分を多く含むため、ゴーヤチャンプルなどメインの食事としても、またゴーヤサラダなど副菜としても上手く摂りたい野菜の一つです。
文:西村 典子
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