県立岐阜商vs美濃加茂

７回県岐阜商、同点タイムリーを打った三塚君が、ガッツポーズで逆転のホームイン

トーナメント表
・岐阜大会の勝ち上がり

大会の詳細・応援メッセージ
・第104回 全国高等学校野球選手権 岐阜大会

選手名鑑情報はこちら
・選手名鑑一覧ページ

日程・結果一覧
・岐阜TOPページ
・第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧

気になる学校への応援メッセージはこちら
・学校検索ページ

＜第104回全国高校野球選手権岐阜大会：県立岐阜商11－6美濃加茂＞◇23日◇準々決勝◇長良川

　初戦で、今春のセンバツ出場校で今大会も優勝候補の一角に挙げられていた大垣日大を下した美濃加茂。勢いに乗ってベスト8に進出してきて、今度は、昨年の優勝校・県立岐阜商にチャレンジするという形になった。春季大会は県大会進出を決めていながらコロナで出場辞退という悔しい思いもしている。それだけに、この大会に賭ける思いはことのほか大きかったのではないだろうか。

　そんな思いを大垣日大戦にぶつけて、難敵突破ということになったのだろう。

　そして、今度は県立岐阜商だ。昨秋も実は県大会の準々決勝という舞台で対戦しており、この時は9対2で県立岐阜商がコールド勝ちしている。だから、美濃加茂としては、そのリベンジも果たしたいところであろう。

　試合は序盤、中盤、終盤という形で、ものの見事に3つの勝負の流れができた試合となった。

　序盤は2回に県立岐阜商が四球の小泉が二盗して、続く垣津が中前へポトンと落として二塁走者がかえって先制。2回にも2死走者なしから、伊藤の中越え二塁打と河合の中越え三塁打と暴投で2点を追加。ここまでは、県立岐阜商のワンサイド気味の展開だった。

　ところが野球とは、わからないものだ、と思わせる展開が、次の3イニングで待っていた。

　4回の美濃加茂、1死後3番神代、続く伊藤大悟の連打と暴投に四球で1死満塁とする。ここで、県立岐阜商の鍛治舎巧監督は先発小西を諦めて、すぐにエースナンバーの井上を投入。ところが、その代わり端をたたいた木戸脇の打球は左越え二塁打となって2人がかえる。なおも2死二、三塁となった場面、代打の切り札という板津が強烈二、三塁を強襲して逆転の2点適時打となった。さらに5回にも2死二塁から4番伊藤が左前打で二塁走者をかえす。6回にも同じく2死二塁から9番の山北が中前へはじき返して3点差とした。

　4回から大嶽をリリーフしていた吉田も、丁寧な投球で4～6回と県立岐阜商打線を無安打で無失点に抑えていた。

　こうなってくると、県立岐阜商も、残り3イニングで反撃できるかというところになってきた。

　鍛治舎監督は、「6回3点差は、ちょっと厳しいかなとも思いました。だけど、まだ3イニングあるんだということを選手たちには言いました。低い打球を強く打って行こうという指示でしたが、7回はそれに応えてくれました」と、選手たちの対応力の高さも認めていた。

　この回、1死満塁から、暴投で1点を返し1死二、三塁となったところで、3番三塚が右前へ2点適時打で同点となった。さらに、2死一塁で河合が三遊間を破って繋いで一、三塁。続く6番小泉が右前打で逆転となる。2回に代走に出て、そのまま三塁に入っていた藤本も一、二塁間をゴロで破っていきこの回5点とした。

　こうなったら、再び県立岐阜商の流れとなって、8回にも6番小泉の2点適時打や押し出しなどで3点を追加した。こうして、結局は県立岐阜商が力でねじ伏せていったというような形になってしまった。

　美濃加茂の高橋 陽一監督は、「0対3からしぶとく繋いで逆転していかれたということは、このチームを象徴していたと思います。秋は一方的なコールド負けでしたから、選手たちの成長も感じました。ただ、3点リードしていても、このまま行けるとは思ってはいませんでした。吉田はよく投げてくれたと思う」と、健闘した選手たちを評価していた。

　吉田投手は、「7回は勝ちを意識してしまった」と、ちょっと悔いていた。

　県立岐阜商の鍛治舎監督は、「井上には、リリーフした以上は最後まで投げるんだよということは言っていました。逆転された時は、悪い流れでしたけれども、再度、逆転することができたのは、自分たちのやってきたことをしっかりできたからでしょう」と、振り返った。

　これでベスト4進出となった県立岐阜商は、連続優勝へあと2つと近づいてきた。

（取材＝手束 仁）