News

タンパク質をとりすぎるとどうなる?

2022.05.06

タンパク質をとりすぎるとどうなる? | 高校野球ドットコム
高タンパク低カロリーを意識しながら自分にとって必要な量を摂ろう

1日に必要なタンパク質量を知ろう

 日本人の食事摂取基準では15~18歳のタンパク質推定平均必要量は男子で65g/日、女子で50~55g/日とされています※1。ただしこれはあくまでも平均であり、体の大きさや活動量によって必要となるタンパク質の量は変わります。活動量や体重比を考慮したものとしては、激しい運動を伴うアスリートの場合、持久力系のアスリートで体重1kgあたり1.2~1.4g/日、筋力・パワー系アスリートは1.6~1.8g/日を目安とし※2、さらに強度の高いスポーツを行う選手についても上限を2.0g/kg程度とするものが多いようです。これ以上タンパク質を摂取しても筋肉として合成される可能性が少ないという報告なども紹介されています※3、※4。

 自分の体重をもとに推定されるタンパク質の必要量を計算してみましょう。体重60kgの選手であれば、1日あたりタンパク質の摂取量は96~108g(筋力・パワー系アスリート)が目安となり、これを三食(と間食を含む)にわけて摂るようにします。タンパク質を多く含む食材を選んで食事をすると、食事のみで必要なタンパク質量を達成することもむずかしいことではありません。プロテインはグラム単位で摂取量がわかりやすい反面、過剰摂取になりやすい傾向もあります。日頃からプロテインを摂取している選手は、自分の必要量と照らし合わせて、不足する分を補うということを理解しておきましょう。

タンパク質の過剰摂取がもたらすもの

1)栄養バランスが乱れ、タンパク質が分解されることも
 タンパク質を過剰摂取すると、その他の必要な栄養素が不足することが懸念されます。特に体を動かすために必要な糖質などのエネルギー源が不足すると、練習が十分できなくなったり、強度の高いトレーニングを行えなくなったりするだけではなく、体はエネルギー不足を補おうとタンパク質を分解してエネルギーとして消費してしまうようになります。

2)肝臓や腎臓に負担がかかる
 過剰に摂りすぎたタンパク質は筋肉合成に使われず、体内で代謝されて排出されます。この過程で産出されるアンモニアを分解するために、肝臓や腎臓にはいつも以上に負担がかかることになります。「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言いますが、尿で排出される水溶性ビタミンとは違い、内臓に負担をかけすぎることがあることを覚えておきましょう。

3)カロリーオーバーになりやすい
 タンパク質が豊富な食品の多くは脂質も多く、結果的にカロリーオーバーになりやすいことが考えられます。余ったカロリーは体脂肪として蓄積されていくため、筋肉をつけようととる食事が体脂肪も一緒についてしまいがち。脂肪分の少ない食材を選んだり、調理方法を見直したりしながら高タンパク低カロリーの食事を心がけましょう。

《参考資料》
※1)日本人の食事摂取基準(2020年度版)
※2)Essencials of sports performance training(NASM)
※3)スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる 寺田新著/東京大学出版会
※4)日本スポーツ協会公認指導者養成テキスト(2013年)

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.16

【大阪】17日に抽選会!打倒・大阪桐蔭なるか、大阪学院大高や興國などはもちろん、ノーシードの履正社の対戦相手も注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.16

青学大が中田、藤原のタイムリーで逆転に成功!1点をリードして後半戦へ!【全日本大学選手権決勝】

2024.06.16

【東北】17日に準決勝!近年強さが目立つ青森勢か、盛岡大附の復活Vなるか<地区大会>

2024.06.16

大阪工業大の新入生に八戸学院光星の二塁手、敦賀気比、東海大星翔の正捕手など甲子園組や近畿の逸材が入部!

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得