試合レポート

日大三vs日大鶴ヶ丘

2022.04.11

打ち合いで始まった日大対決 リリーフ登板の日大三・安田の力投が勝利を呼び込む

日大三vs日大鶴ヶ丘 | 高校野球ドットコム
日大三 安田虎汰郎

<春季東京都高校野球大会:日大三11-4日大鶴ヶ丘>◇10日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 試合終了後、日大鶴ヶ丘の萩生田博美監督は、「きつかったです」と語った。この大会が始まった4月1日は冬の寒さに戻り、寒さに震えながら野球をしていたのが、わずか10日足らずで夏の暑さになった。その間、シード校の日大三は3試合、ノーシードの日大鶴ヶ丘は4試合を戦うのだから、かなりハードだ。そのうえ、日大三日大鶴ヶ丘という日大対決はもつれることが多い。実際この試合も序盤は打撃戦で、暑さの中で、体力を消耗する試合になった。

 試合は、日大三は左腕の松藤孝介日大鶴ヶ丘は横手投げの比江島幹の先発で始まった。

 1回表日大鶴ヶ丘は3番・高見澤晴翔の内野安打で1点を先制すると、高見澤も5番・番場大翔の二塁打で生還する。日大鶴ヶ丘は2回表にも1番・森安陽琉の二塁打などで、1点を追加する。「秋までは逆方向にしか打っていませんでしたが、冬の間、引っ張って大きな打球を打つように練習して来ました」と、森安は言う。

 日大三も2回裏に1死一、二塁から主将で8番の寒川忠の二塁打で1点を返し、9番・松藤の右犠飛でさらに1点を返した。

 3回表日大鶴ヶ丘が1死満塁のチャンスになったところで、日大三は、松藤に代えて安田虎汰郎がマウンドへ。7番・鈴木歩夢に右犠飛を打たれ、1点を失ったものの、安田はここから安定した投球を見せ日大鶴ヶ丘に得点を与えない。安田の好投で試合の流れは、日大三の方に流れ始める。

 3回裏日大三は3番・富塚隼介、5番・金澤海斗の二塁打などで2点を挙げて同点に追いつく。4回裏には右前安打の寒川が、犠打やワイルドピッチで三塁に進み、2番・藤巻一洸の中犠飛で勝ち越す。

 日大三は6回裏にも1番・大川智矢の三塁打などで2点を追加。8回裏も3番・富塚の二塁打などで2点を挙げ、なおも続く2死一、二塁のチャンスで7番・川崎広翔の右中間を破る二塁打で2人が還り、この回4点。11対4となり8回コールドが成立した。

 日大鶴ヶ丘は敗れたとはいえ、秋は1回戦でコールド負けしているだけに、春は4回戦に進み、夏のシード校になったのだから、冬場の練習の成果を感じさせる春の戦いであった。萩生田監督は、「投手陣の軸を育てることと下位打線の厚みが課題です」と、語った。例年、春から夏にかけてチーム力を上げてくるだけに、夏の戦いが楽しみだ。

 勝った日大三の小倉全由監督は、「安田がよく投げてくれました」と、語った。今大会エースの矢後和也は登板させない方針。夏は当然、矢後中心の投手起用になるが、矢後1人に負担をかけるわけにはいかないので、安田やこの試合で先発した松藤らへの期待も大きい。準々決勝は、秋はサヨナラ勝ちをしている東海大菅生との対戦になる。西東京の実力校同士の対戦だけに、夏に向けての駆け引きとともに、注目される一戦になる。

(取材=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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