青稜vs都立国立
青稜・小田川 序盤のリードを粘りの投球で守り抜き都立国立を破る
勝利の瞬間の青稜・小田川昂平
前夜からの雨で、試合は予定より1時間遅れて始まった。冬に逆戻りしたような寒さの中で試合が行われた。
都立国立は、「このところ調子が良かった」と中村優介監督が語る背番号7の並木颯良が先発した。サイドから遅い球を多投する並木に、青稜打線は積極的に振って試合の主導権を握った。1回表1死一塁から3番・小島空翔が右中間を破る三塁打を放ち1点を先制。小島も4番・中山心吾の左犠飛で生還する。
その裏国立は、4番・佐藤遥風の左前適時打で1点を返したが、2回表は1死二塁から9番・下村一真の二塁打で1点を追加。1番・斎藤太桜、2番・益尾航志の連打でさらに2点を追加し、序盤で青稜が5対1とリードする。
国立は3回からエースの金森誠太が登板。4回に1点を失ったものの、しっかり試合の流れを呼び戻す投球をする。青稜の先発・小田川昂平は、「いつも立ち上がりが悪いですが、今日は1点に抑えることができました」と語る。国立打線に4回裏と5回裏に1点ずつ失ったが、カーブで緩急をつけ、スライダーを効果的に使い、粘りの投球をする。
7回裏国立は1安打2四球で2死満塁のチャンスをつかむ。ここで5番・荒川佳の中前安打で2人が生還。国立が1点差まで追い上げる。
しかし8回表青稜は、この回先頭の9番・下村が四球で出ると、1番・斎藤、2番・益尾のバント攻勢が相手のミスを誘い2点を追加した。この2点が大きかった。9回裏国立は6番・福家健太の二塁打で1点を返したが、青稜・小田川の粘りの投球が勝り、8対6で青稜が逃げ切り、1回戦を勝利した。
敗れた国立の中村監督は、「終盤ミスで失点したのが痛かった。夏、勝てるように守備の練習をしたいです」と、語った。都立の伝統校だけに、これからの仕上がりを期待したい。
勝った青稜は、2回戦は強豪・国士舘と対戦する。「しっかり挑戦者として戦いたいです」と青稜の南亮介監督は語る。強豪相手に、思い切り、ぶつかってほしい。
（取材＝大島 裕史）
