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戦力充実の帝京、センバツ4強の國學院久我山にリベンジなるか?春の東京都大会準々決勝を徹底展望!

2022.04.15

 4月1日に112チームが参加して始まった春季都大会も、8チームを残すのみになった。8チーム中6チームは秋に続いての8強であるが、日体大荏原東京成徳大高はノーシードから勝ち上がってきた。準々決勝からは、ブラスバンドの応援も可能になる。注目の準々決勝を展望する。

戦力充実の帝京 センバツ4強の國學院久我山にリベンジなるか?

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帝京・高橋蒼人、國學院久我山・成田陸

4月16日(土)第1試合 國學院久我山vs帝京

 準々決勝で唯一の東東京と西東京の対決であり、昨年秋の準々決勝の再戦でもあり、準々決勝で最も注目される好カードだ。

 國學院久我山はセンバツで準決勝に進出し、戦い方に貫禄が出てきた。センバツでも好投した成田 陸投手(3年)、松本 慎之介投手(3年)といった投手陣に、下川邊 隼人内野手(3年)を中心とした打線も好調。1年生の矢野 丈太郎内野手を起用するなど、戦力のさらなる底上げを図っている。

 昨年の秋は國學院久我山に逆転負けした帝京だが、この春はエースで2年生の高橋 蒼人投手に加え、2年生の左腕・安藤 翔投手らも育ってきた。打線も、3試合で本塁打2本の大塚 智也内野手(3年)のほか、渡邊 礼内野手(3年)、本村 千夏良外野手(3年)らも好調。3回戦で創価の好投手・杉江 敏希(3年)を攻略し、4回戦では早稲田実業を5回コールドで下すなど、調子も上がっている。

 夏の大会のシードの順位を考えても、勝っておきたい一戦。両チームとも、どこまで攻めの姿勢を貫けるかが、鍵となりそうだ。

初の8強進出の東京成徳大高 坂本・須藤の投手陣で強豪に挑む

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東京成徳大高・坂本渉、二松学舎大付・瀬谷大夢

4月16日(土)第2試合 東京成徳大高vs二松学舎大附

 二松学舎大附はセンバツの後、コロナ感染者が出て、ぶっつけ本番で春季都大会に出場した。そのため2回戦の実践学園戦でコールド寸前に追い込まれるなど、点差以上に苦しんできた。4回戦から4日、間が空いたことで、コンディションがどこまで元に戻るかが重要だ。布施 東海投手(3年)を中心とした投手陣、瀬谷 大夢外野手(3年)、大矢 青葉外野手(2年)を中心とした攻撃陣は東京でも屈指の力があるだけに、少しでも本来の実力を発揮してほしいところだ。

 東京成徳大高は、秋は1回戦で敗れたものの、須藤 竜童投手(3年)の好投で、関東一を苦しめた。この春は横手投げの坂本 渉投手(3年)が成長。1回戦は坂本が、2回戦は須藤が、3回戦は坂本、須藤の継投で相手を1点に抑えた。4回戦は終盤の猛攻で駒大高に逆転勝ちするなど、チーム力も上がっている。

 昨年夏に両校は対戦し、3対0で二松学舎大附が勝っており、東京成徳大高は先輩たちのリベンジに燃える。力は二松学舎大附が上だろうが、東京成徳大高のメンタル面を含めた上昇ムードは、侮れないものがある。

[page_break:エースを欠く両校 壮絶な打撃戦か?]

エースを欠く両校 壮絶な打撃戦か?

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日大三・安田虎汰郎、東海大菅生・日當直喜

4月17日(日)第1試合  日大三vs東海大菅生

 この両校は昨秋の準々決勝で対戦し、8対7という打激戦の末、日大三がサヨナラ勝ちしている。今回、日大三はエース・矢後 和也投手(3年)のコンディションを考え、登板させない方針であり、東海大菅生鈴木 泰成投手(3年)はもとよりメンバー登録すらされていないだけに、打撃戦は必至の状況。

 両校とも打線に切れ目がなく、どの打順からでも得点できる。結局、日大三であれば安田 虎汰郎投手(2年)、東海大菅生であれば日當 直喜投手(2年)といった投手陣が、相手打線をどこまで抑えられるかにかかっている。

 西東京の強豪同士の対戦とはいえ、公式戦である以上、当然勝ちに行くだろう。ただ前日に行われる國學院久我山帝京の試合の結果は、モチベーションに微妙な影響を与えるかもしれない。夏の西東京大会は、國學院久我山日大三東海大菅生が3強の構図になる。もし國學院久我山帝京に敗れれば、この試合の勝者が西の第1シードになり、組み合わせの上で有利になる。もし國學院久我山が勝てば、第1シードが決まるのは準決勝以降に持ち越される。日大三東海大菅生の対戦は、西東京大会の3強同士の対戦だけに、夏をにらんだ心理戦もありそうだ。

日体大荏原・小金井が、好調・井坪を中心とした関東一打線をどこまで抑えるか?

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関東一・井坪陽生、日体大荏原・小金井凌生

4月17日(日)第2試合 日体大荏原vs関東一

 夏の第1回東京大会の準優勝校である伝統校の日体大荏原が、4回戦で9回裏に2点を入れて修徳に逆転サヨナラ勝ちするなど、久々に準々決勝に進出し、今大会の台風の目になっている。

 躍進の中心は、身長185センチという大型の横手投げ投手である小金井 凌生(3年)。この冬、体重も増やし球威を増している。千葉 輝夏内野手(2年)、原田 悠希捕手(3年)、小林 滉人内野手(3年)といった中軸も好調だ。

 関東一井坪 陽生外野手(3年)が絶好調。2試合連続の本塁打を含め、2試合で長打が4本。自らマウンドに立つこともある。日体大荏原の小金井が横手投げであることを考えると、俊足の柳瀬 冬和外野手(3年)に走り回られると苦しくなる。力は関東一が上であるが、勢いがある日体大荏原がどこまで対抗できるか、興味深い試合になりそうだ。

(文=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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