ウォームアップ効果を高めるために
個人で保温ができるタイプのステンレスボトルを準備しておくことも良い
練習や試合前にウォームアップを行うことは、ケガのリスクを減らすだけではなく、パフォーマンスをより良い状態にするためにも必要不可欠なものです。ウォームアップとは文字どおり体を温めること。体温を上げて筋肉を動きやすい状態にし、また体全体の血流を促すことをその目的としています。今回はウォームアップの効果を高めるために実践したい3つの方法を挙げてみたいと思います。
●温かい飲みものをうまく活用する
体全体を温めるためには軽くジョギングなどを行い、発汗をうながす方法が一般的ですが、こうしたジョギング前に水分補給として温かい飲みものをとるようにすると、より早いウォームアップ効果が期待できます。冷たい飲みものは飲みやすい反面、体を冷やし、体温を下げることにもつながってしまいます。特に寒い時期などでは常温の水や温かい飲みものをとるようにすると、体をあまり冷やすことなくウォームアップに入ることができます。ただし温かい飲みものは水分摂取量が少なくなりがちなので、こまめにとるようにしたり、常温や飲みやすいやや冷えた飲みものと併用しながら利用するとよいでしょう。
●簡易カイロを利用する
体が温まるまでしばらく時間がかかるため、簡易カイロなどを持参している選手もいるのではないでしょうか。かじかんだ手指などを温める光景をよく見かけますが、カイロで体を温めるときにはぜひ首の後ろを温めるようにしてみてください。大きな血管のある部位を中心に温めると、体全体がポカポカして温まります。脇の下や太ももの付け根(鼠径部)などにも大きな血管はありますが、首の後ろは手軽に温めることができる部位の一つです。ウォームアップが始まる前に行うと寒さがやわらぎ、体が縮こまらずに体を大きく動かすことができます。
●足元を温めたい
これは限られたケースですが、朝練の前に入浴するという方法もオススメです。練習前に入浴できる環境はあまり多くないと思いますが、足湯などが準備できる場合は洗面器に温かいお湯を用意して足元を温めるだけでも、体全体を温めることにつながります。濡れたタオルを電子レンジで温めておしぼりをつくり、足元を温める、もしくは不安のある部位を重点的に温めるということも良いでしょう(ただし熱いおしぼりによる火傷に注意)。
文:西村 典子
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