原口文仁が強打の捕手として注目されたのは3年春。計3本塁打の活躍で都大会準優勝に貢献

原口文仁選手

　阪神のクラッチヒッター・原口文仁（帝京出身）。帝京高校時代、世代トップクラスの強肩強打の捕手として注目されたが、原口が強打の捕手として注目されるようになったのは3年春からだった。

　原口がベンチ入りしたのは1年秋からだが、1学年上には鎌田 康豪という強打の捕手がいたため、ほとんど出場がない。正捕手となったのは2年秋。都大会・全国大会での初本塁打は2年秋（2008年）の準決勝・国士舘戦。三塁打も放つなど活躍を見せたが、惜しくも敗れ、センバツを逃している。凄みが増したのが3年春。
　

初戦の明法戦で本塁打を放ち、4回戦の都立足立西戦では本塁打、二塁打2本を打つなどの大活躍を収め、コールド勝ちに大きく貢献。さらに準決勝の都立小山台戦でも本塁打を放ち、圧倒した。この春から注目されるようになったが、当時の帝京はスラッガー揃いで、本塁打を打てる打者が数多くいたため、打者・原口は飛び抜けた存在ではなかった。ただ原口は捕手としての総合力、人間力の高さが高く評価されていた。原口は甲子園での活躍を認められ、高校日本代表となり、日米親善試合にも参加したが、そこでは投手全員に話を聞いて、球種や得意球をヒアリングしたという。

　そしてプロ入りしても球団関係者、関西の報道関係者からも人間性の高さを絶賛されている。これは本人の人柄もあるが、帝京の教育も大きい。帝京の選手たちは顔見知りとなった記者には近くまで寄って挨拶をする。実際に編集部も帝京のグラウンド取材に訪れた時、選手たちに挨拶をいただいたことがある。人当たりが良い選手ばかり。帝京の選手たちが卒業しても愛されキャラが多いのはそういう一面もあるといえる。

　22年、原口としては勝負をかけるシーズン。どんな活躍を見せるのか、とても楽しみだ。

（記事＝編集部）