News

山本VSヤクルト打線、山田&村上への変化球がキーポイント

2021.11.20

山本VSヤクルト打線、山田&村上への変化球がキーポイント | 高校野球ドットコム
オリックス・山本由伸

 いよいよ20日、日本シリーズが開幕する。昨年、最下位だったヤクルトとオリックスによる頂上決戦がスタートする。7戦4勝制とはいえ、初戦は何よりも大事になる。19日の監督会議で今年は4年ぶりに予告先発なしが決まった。しかし、その後、オリックスの中嶋監督は「うちは(予告先発を)やりますよ。山本。万全でいってくれたら」と公言するなど、早くも監督同士の「つばぜり合い」がスタートしているようだ。

 先発はオリックスが「予告先発」の山本由伸投手(都城高出身)、ヤクルトは奥川恭伸投手(星稜出身)が予想される。隠すことなく「発表」されたパ・リーグ「5冠」の山本が、シリーズ初登板でどんな投球をするのか。

 今季、交流戦で1度だけ対戦があった。5月28日交流戦でのヤクルト戦(京セラドーム大阪)。山本は先発7回を投げ、打者28人で5安打9奪三振3四球2失点2自責で勝ち投手。チームも9対2で快勝と、エースの踏ん張りが白星に直結した。

 許した5安打は、3回サンタナ、山崎の連打と、4回に村上の四球から、オスナ、青木、サンタナに許した3連打だった。ヤクルト打線の生命線である3番山田、4番村上には安打を許さなかった。

山田
第一打席:1回二死走者なし 4球目 左飛
第二打席:4回一死走者なし 4球目 空振り三振
第三打席:5回二死一塁   7球目 三邪飛

村上
第一打席:2回先頭打者   5球目 空振り三振
第二打席:3回二死走者なし 6球目 四球
第三打席:6回先頭打者   5球目 二ゴロ

 2人に共通しているのは、山本が大きく縦に落ちるカーブをうまく配球していた点だ。

 山田の第一打席。1、2球と150キロを超える直球を見せ、4球目の130キロのカーブで打ち取った。第二打席も3球続けて150キロ超の直球のあと、4球目の外のカーブで空振りの三振。第三打席はフォークを3球続けた後に直球を続け、最後は内角のシュート詰まらせた。カーブは投げなかった。

 村上には第一打席は150キロ超の直球、カットボール、スプリットを4球投げた後に、130キロに満たないワンバウンドのカーブで空振り三振に仕留めた。3、4球目は村上はバットを出したが、ファウルに終わっている。その後のカーブだけに効いたのだろう。第二打席は四球を与えてしまったが、初球の直球の後の2球目にカーブを投げて空振りを奪っている。第三打席も150キロを超える直球、シュートを3球続け4球目に内角低めへカーブを投げた。ワンバウンドだったこともあり村上は手を出さなかったが、次の外よりのフォークをひっかけさせて二ゴロに打ち取った。

 ロッテ相手に好投したクライマックスシリーズ・ファイナルステージでも、上から落ちてくるようなカーブに、見逃すしかなかった三振が随所に見られた。その「宝刀」を今回も駆使にする違いない。ヤクルト打線の中心である山田と村上がどう対応するのか。交流戦で対戦しているだけに、山本もカーブを一切見せないかもしれない。

 1回表、山本VS山田の対戦が日本シリーズの行方を占うかもしれない。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.26

【春季近畿大会】大阪学院大高のプロ注目ショート・今坂幸暉は3打数無安打。「第1打席がすべて」と悔やむも好守備に手応え

2024.05.26

【春季関東大会】超強力打線・帝京の快進撃が止まる! 白鷗大足利の山口・昆野を攻略できず、13年ぶりの夏への課題は「大黒柱の育成」

2024.05.26

【島根】開星、出雲が各地区で優勝<各地区大会>

2024.05.26

【宮城】仙台育英が投打に圧倒して5大会連続28回目のV<春季県大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.22

【春季関東大会】センバツVの両エース打ちで勝利に貢献!逆転タイムリー放った池田翔吾(常総学院)は指揮官も絶賛の打棒の持ち主!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商