News

198安打を誇ったソフトバンクの「打撃職人」がバットを置いた

2021.10.09

198安打を誇ったソフトバンクの「打撃職人」がバットを置いた | 高校野球ドットコム
長谷川 勇也外野手(酒田南ー専修大出身)

 職人がまた1人、球界を去る。ソフトバンク長谷川勇也外野手(酒田南ー専修大出身)が今季限りでの引退を発表した。「打撃の職人」として、ファンからも選手からも愛された好打者。ペイペイドームで代打を告げられると、「必殺仕事人」のテーマ曲とともに、バットの先を足でつんつんとたたきながら打席へ向かう。「男は黙って仕事する」。そんな雰囲気を醸し出す、プロ中のプロのような選手だ。

 かと思いきや、内野へ微妙なゴロが転がると、一塁へヘッドスライディングする。「黙って」というイメージとはかけ離れた「ガッツ」あふれる闘志をむき出しにするときがあった。時にはユニフォームが破れるほど、激しく滑り込んだ時もあった。昨年は、新型コロナウイルスにも感染。野球ができない悔しさと、復帰した時の野球ができる喜びを痛感していた。12月の誕生日がきて37歳になる。プロ15年目。お疲れさまでしたと言いたい。

 長谷川がソフトバンク5位で指名されたのが2006年のドラフト。高校生ドラフトで駒大苫小牧の田中将大投手(現楽天)が4球団の1位指名競合の末、楽天が指名した年だ。長谷川の同期として大学卒で入団した選手のなかには、こんな選手がいた。

楽天・岸孝之投手(名取北ー東北学院大)=西武希望枠
ヤクルト・嶋基宏捕手(中京大中京ー国学院大)=楽天3位
中日・浅尾拓也二軍投手コーチ(常滑北ー日本福祉大)=中日3位
ロッテ・大隣憲司二軍投手コーチ(京都学園ー近畿大)=ソフトバンク希望枠

 現役もいれば、コーチになっている選手もいる。「職人」と呼ばれた長谷川も、指導者となって新たな「職人」を育ててほしい。

 オフでも毎日、ペイペイドームに足を運び、トレーニングを欠かさなかった。1月上旬、福岡県筑後市のファーム施設が「仕事はじめ」としてスタートする日、ほとんどの選手がフィジカルトレーニングをするなか、投手の投げる球で普通に打撃練習をしていた。誰よりも練習するベテランだった。練習量の多さでは評判のソフトバンク選手のなかでも、特別目を引いていた。

 通算1232試合 3849打数 1108安打 76本塁打 434打点 打率.288。

 2013年は198安打、打率.341を放ち、最多安打、首位打者のタイトルも獲得した。シーズン198安打は、ソフトバンク球団では最多で、パ・リーグとしても西武・秋山216安打(15年)、オリックス・イチロー210安打(94年)、ロッテ西岡206安打(10年)に続く歴代4位の記録(セ・パ両リーグでは8位)。

 ホークスが誇る「ヒットマン」の記録を破る選手がホークスから出てくるのは、いつの日だろうか。

(記事=浦田 由紀夫)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.05.07

【熊本】九州学院が文徳を破って22年ぶり3回目の優勝<RKK旗>

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【宮城】石巻西、登米総合産業、石巻、気仙沼が県大会切符<春季地区大会>

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.02

春の神奈川準決勝・東海大相模vs.横浜の黄金カード実現! 戦力徹底分析、試合展開大胆予想!

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.03

【埼玉】春日部共栄の「反撃」なるか、5年ぶりの関東切符狙う<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>