選手の出身地でみる今年のプロ野球首位争い、トレンドは?
岡本和真(巨人-智辯学園)
プロ野球では今シーズンも終盤戦に入ってきた。セ、パともに優勝争いチームも絞られている。セ・リーグでは阪神、ヤクルト、巨人。パ・リーグではロッテ、オリックス、楽天といったところだろう。パ・リーグでは絶対的な王者と言われるソフトバンクが苦しんでいる。現実的には3位に食い込めるかどうか。
今季は東京五輪もあった関係で、シーズンが10月20日過ぎまで行われ、まだ1か月以上、白熱した戦いが楽しめる。
このセパ合わせて上位6チームの主力たちの出身校を調べてみた。9月に入って、先発している投手、抑え、スタメン起用されている選手らをピックアップ。出身地とともにみていくと、投手ではやや関東勢が多くで、野手では圧倒的に関西勢が多いことが分かった。
近年、大阪桐蔭の強さが目立つため、打者としては大阪勢が目立つのだろうが、兵庫県出身の選手も負けていないことが分かる。
【野手の近畿勢】
★大阪出身
巨人=広岡大志(智辯学園)小林誠司(広島広陵)松原聖弥(仙台育英)
ヤクルト=元山飛優(佐久長聖)
ロッテ=安田尚憲(履正社)山口航輝(明桜)
楽天=浅村栄斗(大阪桐蔭)
オリックス=太田椋(天理)T-岡田(履正社)福田周平(広島広陵)
★兵庫出身
巨人=岸田行倫(報徳学園)中島宏之(伊丹北)坂本勇人(光星学院)
阪神=坂本誠志郎(履正社)佐藤輝明(仁川学院)
ヤクルト=山田哲人(履正社)坂口智隆(神戸国際大附)
ロッテ=中村奨吾(天理)
楽天=辰巳涼介(社)小深田大翔(神戸国際大附)
オリックス=来田涼斗(明石商)
★奈良出身
ヤクルト=西浦直亨(天理)
ロッテ=小窪哲也(PL学園)荻野貴司(郡山)
巨人=岡本和真(智辯学園)亀井善行(上宮太子)
阪神=小野寺暖(京都翔英)
投手陣では、関東地域からは、東京以外の周囲の県から、まんべんなく選手が出ている。
【投手の関東勢】
★神奈川
楽天=松井裕樹(桐光学園)
巨人=菅野智之(東海大相模)
阪神=青柳晃洋(川崎工科)
★千葉
楽天=涌井秀章(横浜)早川隆久(木更津総合)
阪神=伊藤将司(横浜)
★茨城
ロッテ=鈴木昭汰(常総学院)美馬学(藤代)
巨人=高橋優貴(東海大菅生)
★埼玉
オリックス=山崎福也(日大三)
ロッテ=小島和哉(浦和学院)
★栃木
オリックス=田嶋大樹(佐野日大)
今年のトレンドとして、プロ野球を面白くしているのは「関東出身の投手」と「関西出身の打者」。もちろん、野球はチーム対チームの対決が基本だが、投手と打者の「局地的」な対決の味方として、「出身校」「出身地」で、その対戦の行方を占うのも面白いかもしれない。
(記事=浦田 由紀夫)