日大三vs明学東村山
日大三が初戦突破 小倉監督「追い込んでいいのか…」夏前コロナに翻弄された胸中
17日、スリーボンドスタジアム八王子の第一試合では15日から順延となった第103回全国高校野球選手権 西東京大会の3回戦、日大三と明学東村山の試合が行われ、日大三が4対0で勝利し初戦突破を決めた。
日大三は初回に1番・星憂芽が死球で出塁すると、すかさず盗塁を決め、悪送球の間に三塁へ到達。無死三塁の好機に2番・齋藤広空の遊ゴロの間に星が生還し無安打で1点を先制した。2回には7番・川島柾之の2点適時打でリードを広げた。
夏初戦の先発には背番号11の右腕・栃原 涼太を起用。5回二死まで無失点に抑えるも、「追い込んでからのボールが甘かったですね。本当はもう少し投げてもらいたかったんですけど、思うように点が取れていなかったので、早めに宇山を出しました」と小倉全由監督は2番・尾形 京泉に2ボールを与えたところで、エース左腕・宇山翼を投入した。その宇山は6回には二死満塁のピンチを迎えるも、9番・三浦龍一郎には「手応えは良かった」というチェンジアップで三振を奪い得点を許さなかった。7回は圧巻の3者三振。8、9回も3者凡退で抑え、エースとして堂々たる投球を披露した。
今チームでは秋、春共に決勝で涙をのんだ。宇山は「決勝で絶対勝ちたい。みんなそう思っています。3年間で一度も甲子園に行ったことがないので」と悔しさを振り返りながら答えた。三高のエース宇山の最後の夏が始まった。
打線は7安打で4得点。ミスショットが目立った。小倉監督は「ダメですね」と打撃陣に一喝。しかし、それよりも「走塁で自分たちを楽にしていかないと」と5回の一死二塁の場面で土屋マックス清文が中前に運ぶも、二走・井坪朝陽が生還できなかったシーンを反省した。「ヒットというのは出ない時には中々出ないんですけど、走塁には波はないんだから、ああいう時にしっかりとっておかないと」と気を引き締めた。
春は新型コロナウイルスに翻弄された。準決勝後、東京都の緊急事態宣言発令に伴い決勝戦は延期に。しかし、日程が決まった決勝の一週間前に部員に新型コロナウイルスの感染者が確認され再延期となった。
小倉監督は「全然練習が出来ていないチームもありますが」と前置きするも、「どこまで追い込んでいいのか悩みました」と胸の内を明かした。免疫力を下げてはいけないー。しかし、夏前の大事な期間で妥協はできない。目に見えないウイルスへの危機管理と「日本一」を目指し日大三へ入学した選手たちへの思いとが葛藤した。
「その中でも選手たちはよくやってくれていると思います」。3年ぶりの聖地へ。選手を信じ悲願へ突き進む。
(取材=藤木 拓弥)
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