彦根東vs八日市
彦根東が逆転で開幕ゲームを制する
甲子園を懸けた夏の滋賀大会が2年ぶりに開幕。開幕戦は2018年春以来の甲子園を目指す彦根東が八日市相手に逆転勝ちを収めた。
試合は先発の両左腕が好投を見せた。八日市の花田健斗(3年)は181㎝の長身から角度のあるストレートを投げ込み、3回まで4奪三振で無安打と上々の立ち上がりを見せる。対する彦根東の友定舜(3年)も変化球を上手く織り交ぜながらテンポよく凡打を積み重ねた。
試合が動いたのは3回裏、二死から1番・宮田凌弥(3年)がチーム初安打となる左前安打で出塁すると、牽制で挟まれる間に二塁に進む(記録は盗塁)。ここで2番・森野太晴(2年)がレフト線に適時二塁打を放ち、八日市が先制点を挙げた。
追いかける展開となった彦根東は5回表、先頭の6番・辻凌和(2年)は右前安打で出塁すると、続く7番・笹山直央(3年)の犠打を投手の花田が一塁に悪送球をしてしまい、無死一、二塁となる。このプレーで「浮足立ってしまった」と花田のリズムに狂いが生じた。その後、犠打と四球で一死満塁となり、1番・鍛治由玖(3年)の左前適時打で同点。さらに連続押し出し四球と4番・竹山築(3年)の中犠飛で加点し、彦根東が一気に3点のリードを奪った。
逆転した彦根東は落ち着いた守りを見せ、八日市に得点を与えない。7回裏の投球練習中には友定が右足を攣って降板するアクシデントに見舞われたが、「友定とそんなに力の差はない」と松林基之監督が評価する背番号11の右腕・岡崎陽大(3年)が3回を1安打無失点に抑え、逃げ切りに成功。伝統校が開幕ゲームを制した。
「開幕ゲームでしたが、落ち着いてやってくれました。2番手の岡崎がよくなげてくれたと思います。今日は打てなかったので、しっかり打てるように調整したいです」と話した松林監督。花田のストレートに苦戦しながらも相手のミスに乗じて畳みかけられたのは流石といったところだろう。
敗れた八日市は先制したところまでは良かったが、5回の大量失点が響いた。それ以外の回はしっかり抑えられていただけに悔やまれる1イニングとなった。
(文:馬場 遼)