新入生が知っておきたい体のこと
高校野球生活を充実させるためにもまずは自分の体を知ろう!
4月に入り、新入生が野球部に入部する時期となりました。新入生にとっては新しい学校生活に加えて、新しく高校野球生活を始めるということで、期待とともに不安が入り交じっていることと思います。特に中学校での部活動を引退してから、高校野球部に入部するまでにかなり期間が空いていることが多く「野球部の練習についていけるだろうか」と思う選手は少なくないのではないでしょうか。
これから高校野球生活をスタートさせる新入生の皆さんがケガを予防しながら充実した日々が過ごせるよう、自分の体について知っておきたいことなどをまとめておきます。
●体はまだまだ成長期であることを自覚する
15〜16歳という年齢は体が成熟するための成長期にあります。身長はもちろんのこと、体重や体格などもこれからさらに成長する時期です。特に骨の成長スピードは筋肉に比べて早いということが知られており、骨がまず先に伸びるため、筋肉はいつもストレッチされた状態となり「膝や腰、足首などに痛みがある」「体全体が硬い」といったことがよく見られます。すべてが成長期によるものとは限りませんが、体は変化している段階であることを自覚し、体の柔軟性をよくするためのストレッチなどは練習後、入浴後などにしっかり行う習慣をつけましょう。
またシューズのサイズも自分の足にあったものを履くようにしましょう。成長段階である皆さんの足はサイズが目まぐるしく変化することも考えられます。サイズが小さいもの、大きいもの、破損したものなどはケガの原因ともなりやすいため、シューズは消耗品と割り切ってそのときの足にフィットしたものを使用するようにしましょう。
●違和感や痛みがあるときは適切に対応しよう
練習が始まると体力的な疲労もたまるようになります。疲労を翌日以降に持ち越さないように各自でストレッチをしたり、バランスの良い食事を心がけたりということを行ってほしいのですが、やはり疲労が蓄積されてくると、筋力の弱い部分や柔軟性の乏しい部分を中心として違和感や痛みを引き起こすことがあります。練習後などにジンジン痛みが出る場合は、氷などをつかって患部を冷やすように(アイシング)しましょう。打撲、捻挫など急に起こったケガに対してもアイシングは有効ですが、痛みが軽減しない場合や痛みが強くなる場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
また部活動の指導者の皆さんは新入生が違和感や痛みについて、ためらいなく申告できるような環境を整えてほしいと思います。
●十分な睡眠をとることがケガ予防につながる
生活リズムが一変し、睡眠が十分に取れない状態が続くと、体のコンディションは低下し思わぬケガをしやすくなります。睡眠のリズムを整えるためには就寝時間と起床時間を一定にし、睡眠時間から逆算して生活リズムを整えることが大切です。就寝時間がバラバラになってしまう場合でも、起床時間を一定にしておくと体内時計は比較的安定するといわれています。また成長期の選手にとって睡眠は体づくりのためにもとても重要なものです。寝ることも練習の一つと考えて、疲労回復に努めましょう。
(記事=西村典子)