Interview

千葉で難攻不落の存在となった篠木健太郎(木更津総合)の3年間の軌跡

2020.12.20

 2020年度でプロに進まなかった高校生投手で実力ナンバーワンと目されるのが木更津総合の最速149キロ右腕・篠木 健太郎だろう。今年の千葉独自大会では30イニングを投げ、自責点2、防御率0.64、34奪三振、K/BB8.5と圧倒的な投球で頂点に立った。法政大進学が決まった篠木のこれまでの軌跡を振り返っていく。

二度の習志野戦の敗戦を糧にして

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篠木 健太郎(木更津総合)

 館林ボーイズ時代から評判の逸材だった篠木。完成度の高い投球フォームから繰り出す伸びのある快速球に、強豪校から注目される存在となった。そんな篠木が木更津総合進学を決めた理由として、中学時代、オール5だった篠木は早くから東京六大学でプレーしたい思いが強かった。さらに木更津総合は東北楽天1位の早川 隆久(早稲田大)をはじめとして有力選手の東京六大学進学に強く、考えが一致したということで、進学が決もまった。

 篠木の才能は入学してからも際立っていた。篠木と同じく法政大に入学する吉鶴は打撃練習で篠木の登板の際、打席に立ち、ボールの伸びに驚かされたという。

 「速さはもちろんですが、ボールの伸びもすごくて、全く当たらなかったですね。変化球の精度も」と振り返る。

 そして1年春からベンチ入りし、1年夏から甲子園を経験。更に2年春には最速146キロまでスピードアップし、東海大相模相手に好投を演じ、篠木の能力の高さは際立っていた。

 2016年から続く4年続けての夏の甲子園を狙ったが、準決勝で宿敵の習志野と対戦し、惜しくも敗退。篠木は「春と比べると調子は落ちていたかなと思います」

 と語るように、確かにボールの勢いはあまりなかった。春では140キロ~145キロが当たり前のように出ていたが、夏では130キロ後半。習志野戦では145,6キロぐらいは出ていたものの、安定感がない。

 秋の大会に備えて、篠木は夏休み期間中、ペースを落とし、肩を休ませつつ調整を行った。秋の段階ではさらにパワーアップを遂げていた。

 千葉明徳戦では8.2回を投げ、9奪三振、2失点の好投を見せ、さらに最速146キロ・平均球速は141.33キロを高校2年秋の時点で、破格の球速を叩き出した。篠木はこの時点で本調子はなかったと振り返る。しかし徐々に調子を上げていき、準々決勝の中央学院戦では、「コントロールを意識して投げました」と語るように、ストレートは140キロ前半にとどめ、店舗よく投げて、強力打線を打たせて取る投球を実践し、1安打完封勝利を上げた。

 

 また準決勝の習志野戦と対戦したが、7回途中で4失点を喫し、降板。さらにサヨナラ負けを喫した。篠木は習志野戦の悔いについてこう語る。

「自分が降板した回に複数失点してしまい、勝ちたいという気持ちが焦りになってしまい、自分のことをコントロールできず、詰めの甘さにつながったと思います」

[page_break:そして夏ではどこも寄せ付けない投手へ成長]

そして夏ではどこも寄せ付けない投手へ成長

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篠木 健太郎(木更津総合)

 冬の練習では全体的なレベルアップを目指すこと。さらに球種を増やすことに取り組んだ。さらに投球フォームではインステップ気味だったフォームが真っ直ぐを踏み出すことに修正し、球威アップにつなげた。投球練習を行う日々では、捕手と話し合いを行い、自分のストレート、変化球の切れを振り返ってもらい、次の投球練習へ向けて、何をすれば良いか、1日1日を大事に取り組んだ。また木更津総合は自主練習を1時間ぐらい設けるが、この時の篠木はシャドーピッチングを繰り返し、フォームをじっくりチェックする。目的意識を持って取り組んでいるのが伺えた。

 冬の練習に入る前に篠木は主将も任される。五島監督の長い監督生活で、背番号1をつける投手が主将になるのは初めてのこと。それが出来る理由は、篠木はチームでただ1人、特進クラスで通い、1年から主力投手として活躍し、文武両道を実践。行動も実績も抜群で、一番発言力がある人物だった。こう願いをこめた。

 五島監督は「周りを見通す、そしてチームメイトを気遣って行動できる人間になってもらいたい」

 そして篠木は2月の取材で「勝てるチームになって準備をしていきたい」と決意を述べた。その後、自粛期間が長く続き、練習も制限される中、篠木は夏の独自大会でさらにパワーアップを遂げた。

 独自大会の第8ブロックのトーナメント決勝戦の志学館戦では1安打完封。さらに決勝トーナメントの千葉明徳戦では4安打、11奪三振完封勝利。9回でも最速146キロをマークし、平均球速143.15キロと高校生トップクラスの球速をマーク。そして準決勝の八千代松蔭戦では9回裏に同点打を放ち、更にリリーフとしても2回無失点の好投。

 決勝の専大松戸戦では1失点完投勝利。専大松戸の各打者が「ストレートの伸びもすごいですが、スライダーの切れ味もすごく、まさに消えるというのにふさわしいものでした」と語るほどの快投を見せ、30イニングを投げ、自責点2、防御率0.64、34奪三振、K/BB8.5と、圧巻の投球内容で頂点に立った。篠木は最終学年になってストレートに強弱をつけることを覚え、ここぞという場面で140キロ後半の速球で三振を奪うなど、難攻不落の存在となった。

 卒業後は法政大へ進学する。東京六大学でプレーすることを目標としていた篠木は実力と実績で法政大でプレーすることを叶えた。

 これから4年間、どんな歩みを魅せるか。そして最終学年では4年先輩の早川 隆久(早稲田大)が圧巻の投球を見せて頂点に立ったように、篠木も東京六大学、そして全国で敵なしの投球を魅せるべく、さらに研鑽を積んでいく。

(記事=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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