試合レポート

健大高崎vs専大松戸

2020.11.01

健大高崎打線が爆発!5本塁打で専大松戸をコールドで下す

 開催地・千葉県の代表として唯一ベスト4まで勝ち残った千葉3位・専大松戸。決勝進出へ、準決勝で健大高崎と激突。大会連覇を狙う強力打線に挑んでいったが、その壁は高く厚かった。

 先発はエース・深沢鳳介。セットポジションからすっと左足を真っすぐ上げて、コンパクトに右腕を使いながらトップを作り、右腕をサイドスローの高さから振り抜いていく。1学年先輩・横山陸人(現千葉ロッテ)を彷彿とさせるフォームから、130キロ台のストレートにスライダー、シンカーをコーナーに投げ分けるピッチングが持ち味だ。

 初回、健大高崎の1番・堀江 晃生のヒットなどで一死満塁とピンチを招くと、5番・野中 駿哉の打ち取った当たりが併殺崩れとなり失点。専大松戸健大高崎に点数を与える結果になってしまう。

 さらに2回には一死三塁から9番・伊藤 翔哉の犠牲フライで2点目。序盤からなかなか健大高崎の強力打線の勢いを止めることが出来ない。

 深沢を援護してあげたい打線だが、健大高崎先発・野中を捉えきれない。セットポジションから動き出す野中だが、足をゆったりと上げてから素早い動きでトップを作り、力強く右腕を振り抜いていく。少し野手らしい投げ方だが、ストレートに近い軌道から小さく沈んでいくスライダーを使って微妙にバットの芯を外して打たせて取るピッチング。この投球を前に専大松戸はゴロアウトの山を築かされてしまう。

 辛抱強く投げるしかない深沢だが、健大高崎打線が失投を逃さない。3回には一死から3番・櫻井 歩夢にインハイに抜けたストレート。4回には6番・森川 倫太郎に真ん中低め付近のスライダーを捉えられホームラン。深澤はこの回の途中で外野に回ることとなった。

 2試合連続完封で知名度は一気に関東へ広がった深澤すら打ち砕く健大高崎打線。赤堀コーチの就任によって旧チームから打力が強化されてきた健大高崎。見逃し方、失投を逃さないバッティングなどを繰り返し行うことで昨年のチームも力を付けてきたが、この試合でも失投を逃さずに打ちに行ってヒットにしてきたのが印象的。今年のチームもレベルの高さを感じさせる。

 4回途中から2番手・岡本陸をマウンドに上げた専大松戸。4回こそ何とか1失点で切り抜けたが、5回には主砲・小澤周平に一発を浴びて5点目を失うと、外野にいた深澤を再びマウンドに戻すも、8番・綱川 真之佑にタイムリーを許し、5回までで7失点と苦しい試合となった。

 6回に入り、2番手・中野 颯太に代わったところで、4番・吉岡 道泰と6番・奥田 和尉のタイムリーで専大松戸は2点を返すものの、6回に1番・堀江、7回には綱川に一発を浴びて勝負あり。2対9の7回コールドで専大松戸健大高崎に敗れ、決勝進出とはならなかった。

 健大高崎の強力打線を前に悔しい結果となった専大松戸。しかしエース・県大会では千葉学芸との延長15回の死闘を制するなど、収穫も反省も得られた秋となった。小澤に一発を浴びたが、2番手・岡本もコンパクトなテイクバックから振りの大きい右腕の使い方から伸びのあるストレートを投げ込み、健大高崎打線に挑んだ。

 一方、打線は健大高崎の野中の前にチャンスを作れずに援護できなかった。早くから注目されてきたスラッガー・吉岡は今大会9打数4安打3打点と4番として結果を残したが、決勝に導くことはできなかった。一冬超えてどのように成長するのか楽しみにしたい。

(文・=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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