試合レポート

石川vs球陽

2020.10.05

取り組む姿勢が実ったベスト8

石川vs球陽 | 高校野球ドットコム
ランニングホームランを放つ石川・外間

 「練習もそうだけど学業も申し分ないのが神山。ウチは神山のチームと胸を張って言える」石川の伊波監督は、普段から部員の模範となっている神山を、試合の功者として真っ先に口に出した。

両投手ともに低めをつく丁寧なピッチング

 石川・神山の、この日の球数は102。終始打たせて取る粘りと丁寧なピッチングが光った。アンダーハンドから球速は100キロ前後。元々はオーバースローだったという神山。ところがどう投げても打たれる日々が続き、本人も参っていまっていたとのこと。そこでアンダーハンドを薦めたところ、上手くハマる。とはいえ、本人の人一倍の努力無しで簡単に出来る投法では無い。お尻から太ももの筋力を見ると、トレーニングにも精を出していたのだろうと思う。

 初回は四球、2回は味方のエラー、3回と4回は先頭打者にヒットを許すも、後続を丁寧に斬り三塁を踏ませない神山。しかし球陽の仲村も負けてはいない。4回、四球とヒット、盗塁で一死二・三塁とされたがスクイズを敢行した打者を自分へのフライに斬ると、後続はショートゴロ。両投手ともに目を見張る球速は無いが、低めを意識し打者を打ち取っていった。

小さくても打てる

「小さな身体なんです。でも小さくても打てるようになるよと声をかけてきました」。
伊波監督が、目を細めたのが2番外間のランニングホームラン。5回、石川はこの回先頭の8番崎浜がバントヒットで出塁すると盗塁を成功させる。球陽・仲村も粘りの投球で二死三塁までこぎつけたが、この日最初の失投で甘く入った球を石川・外間が見逃さない。振り抜いた打球はグングン伸び、センターの頭を越える。俊足を飛ばした外間は、一気に本塁へ。見事なランニング2ランホームランで石川が先制する。しかし球陽もその裏、一死から9番西川が内野安打で出ると、犠打で二進。ここで2番與座がレフト前へ運び二走が生還。さらに相手のエラー後、4番島袋がセンター前へタイムリーを放ちすぐさま同点に追い付いた。

 6回、7回は、両投手がそれぞれ三者凡退に斬る好ピッチとここまで全くの互角。そのこう着状態を再び破ったのも、石川の外間だった。

 8回先頭として打席に入ると、この日3本目の猛打賞となるヒットをレフト前へ運ぶ。犠打と相手のエラーで一・三塁とし、5番平案山が決勝となる2点タイムリー。100球目が近付いた球陽・仲村にとっては痛い1球となったが、後続を内野ゴロに仕留め何とか踏ん張る。エースの力投に、3番奥間が二塁打で応えるが、捕手伊波一星が一瞬の隙をつくスローで牽制死。こちらもエースに報いる好プレーとなり、そのまま石川が逃げ切り3年振りのベスト8進出。「素直で良い子たちが多い」と、伊波監督はナインを手放しで褒め称えた。

(文=當山雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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