富山、斎藤、吉田、漆原の若手投手リレー!新生・中嶋オリックスは高校野球ファン的にもわくわくする選手起用だ
高校時代の吉田凌(左)漆原大晟(右)
オリックス・バファローズは20日に西村徳文監督が辞任したことに伴い、2軍監督から昇格した中嶋聡監督が代行して21日の埼玉西武ライオンズ戦から指揮をとっている。
20日まで4連敗中だったオリックスは4番ジョーンズの3試合連続ホームランの活躍などもあり、3連勝で西武との6連戦を終えた。
幸先のいいスタートを見せている新生・中嶋オリックスだが注目したいのは中嶋監督の選手起用についてだ。
特に23日の試合、6回裏に二死二三塁から一軍に昇格したばかりの8番杉本裕太郎のタイムリーヒットで同点とした直後の守りで中嶋監督は今季初登板の富山凌雅をマウンドに送り込んだ。2年目左腕は指揮官の期待に応え、この回を無失点で凌ぐと、続く8回には6年目23歳の斎藤綱紀がマウンドへ。7番中村剛也から三振を奪うも二死二三塁のピンチを招くと、今度は5年目23歳の吉田凌をマウンドへ。吉田がこのピンチで1番木村文紀を打ち取ると、若手リリーフの奮闘に、ジョーンズの勝ち越し本塁打など打線が応え3点を勝ち越し。
そして、3連勝がかかる最終回に送り込んだのは守護神ディクソンではなく、なんとプロ初登板でこの日1軍に昇格した育成出身の2年目右腕・漆原大晟だった。ディクソンの3連投を避けるため、昨年2軍で抑えを務めていた漆原をこの場面で抜擢したのだ。
漆原は連続タイムリーで2点を失うものの同点までは許さず、見事にプロ初登板で初セーブを挙げた。失点こそしたが、リードを守り切り役割を果たしたことで本人の自信にもつながることだろう。
このように接戦の場面でも、2軍で鍛錬を積み重ねてきた若手選手を積極起用し、チームの活性化を図っている。
また、上で名前を挙げた4投手はいずれも高校時代から評判の好投手であった。
富山は九州国際大付の出身で3年の夏の甲子園ではエースとしてチームをベスト8に導く活躍。敗れた準々決勝では早稲田実業で当時1年生の清宮幸太郎とも対戦している。
斎藤は南北海道の強豪・北照のエースとして活躍。2年生時には甲子園も経験している。
また1学年上には、同じくオリックスに入団した吉田雄人もいた。
吉田は東海大相模で下級生の頃から活躍を見せ、2年の夏の県大会決勝では先発し、神奈川大会タイ記録の20奪三振を記録、チームの優勝に貢献。3年次には現・中日ドラゴンズの小笠原慎之介とともにダブルエースとして活躍し、チームの甲子園優勝に貢献した。
漆原も新潟の名門・新潟明訓高校で1年次からベンチ入りを果たし、夏の甲子園を経験している。伸びのある直球を武器に主力として活躍したが、最後の夏は準決勝で関根学園に敗れ甲子園出場とはならなかった。
投手起用に注目が集まるが二軍で好調だったラオウこと杉本裕太郎(徳島商出身)をスタメン起用、中川圭太(PL学園出身)を4番で起用するなど、こちらもワクワクする選手起用だ。
若手が頭角を現している今後のオリックスの逆襲に期待したい。