福留孝介、石川雅規、能見篤史、細川亨 40歳を超えた現役ドラ1の現在地
ヤクルトの石川雅規(※写真は2015年撮影)
野球の世界には「松坂世代」を始め、有力選手が集まった世代を「〇〇世代」と形容する流れがある。これまでは今年高校を卒業してプロ入りした2001年世代から始まり、今年で40歳を迎えた1980年、通称「松坂世代」まで22世代282人のドラフト1位(自由獲得枠など含む)選手を紹介してきた。今回は、1979年以前生まれで、今季も現役を続ける4選手をピックアップする。
バッテリー3人が生き残った1979年世代
<2001年ドラフト>
石川雅規(秋田商・青山学院大・ヤクルト) 自由獲得枠
472試合 171勝163敗 3ホールド 2794.2回 1612奪三振 防御率3.87
細川亨(青森北・青森大・西武・福岡ソフトバンク・東北楽天・千葉ロッテ) 自由獲得枠
1427試合 84本塁打 367打点 8盗塁 打率.203
<2004年ドラフト>
能見篤史(鳥取城北・大阪ガス・阪神) 自由獲得枠
409試合 103勝93敗 1セーブ47ホールド 1692.1回 1477奪三振 防御率3.32
41歳を迎える79年世代では、3人が今季も現役だ。石川雅規は3月の時点で開幕投手に内定していたが、高津臣吾監督は5月に改めて開幕投手と明言した。入団から昨季まで18年間連続で勝利を挙げ、通算171勝をマークしている石川。2015年以来遠ざかっているが、これまでに11度の二桁勝利を挙げるなど、まさに「小さな大投手」の名に相応しい活躍を見せてきた。今季は5年ぶりの二桁勝利を挙げ、まだまだ元気な姿を見せてもらいたい。
西武、福岡ソフトバンク、東北楽天、千葉ロッテと、パ・リーグの4球団を渡り歩いてきた細川亨。近年は出場機会が減ってきてはいるが、長年に渡って養ってきた経験は、捕手として何よりの武器だ。若い捕手が多いロッテにあって、勝負所で頼りになるベテランとして存在感を発揮していきたい。
高卒後、7年間の社会人を経てプロ入りした能見篤史。2005年の入団以来、15年連続で勝利を挙げ、通算103勝。近年は中継ぎとしての登板が増え、昨季は自身最多51試合登板を果たし、ブルペンを支えた。今季も中継ぎ登板が予想されるが、1学年下のクローザー・藤川球児とともに、ベテラン勢でブルペンを盛り上げていきたい。
高校時代に7球団競合の福留孝介が現役続ける1977年世代
<1995年ドラフト>
福留孝介(PL学園・大阪近鉄) 7球団競合・入団拒否
<1998年ドラフト>
福留孝介(PL学園・日本生命・中日・カブス・インディアンス・ホワイトソックス・阪神) 逆指名
NPB 1866試合 280本塁打 1045打点 76盗塁 打率.291
MLB 596試合 42本塁打 195打点 29盗塁 打率.258
12球団最年長、日米で活躍を見せてきた福留孝介は、1977年世代の43歳だ。PL学園3年時の1995年ドラフトでは、7球団競合の末に大阪近鉄が交渉権を獲得したが、入団拒否。3年後に逆指名制度を利用して中日入りを果たした。以来21年間に渡って第一線で活躍を見せてきた福留。
NPBで1897安打、MLBで498安打を放って日米通算2000安打を達成し、名球会入りも果たしている。昨季も阪神の主力として上位打線で100試合以上に出場するなど、その打力は健在だ。6月に入ってから再開した練習試合でも6番スタメンでの出場が多く、ポイントゲッターとして期待されている。
今回取り上げた選手4人は、投手2人、野手2人で、それぞれ高校は公立・私立が1人ずつという割合だった。また興味深いのが、高校から直接プロ入りした選手がいない点だ。高校時代にはそこまで大きな実績は残さなくても、その後の努力があるからこそプロで長く活躍できているのだろう。願わくば、来季もこの4人全員が現役でユニフォームを着ている姿を観たいものだ。
(記事=林龍也)
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