江戸川区に所在する都立紅葉川は独自大会へ向けて、3年生11人をメインにゆっくり調整
昨年秋から監督に就任した紅葉川・高橋勇士監督
6月になって、学校再開ということにはなっているけれども、まだそれぞれの事情で通常の体制ではないというのが現実だ。江戸川区の都立紅葉川では、当初は6分割登校という形で始めたという。まずは、3年生がクラスを分けて、奇数クラスと偶数クラスが、時間差で2時限ずつの授業という形で始めた。
授業といっても、ようやく年度始めで、新学年になって最初ということになる。まずはオリエンテーションみたいな形で、実際には授業というよりもホームルームが中心で、課題提出とか、そういう形で終えたという。そこから、徐々に段階を経て、3分の1登校、2分の1登校としていくという方針だという。そんな状況だから、部活動としての再開は3週が過ぎた6月20日以降ということになりそうである。
昨年に都立片倉から異動して、昨夏からチームを率いる高橋勇士監督は、そんな状況でも、何とか部員たちと会えたことを喜んでいた。学校としては、まだ午前中だけで、生徒たちが帰った後は、教職員は教室の消毒作業などを行っているという。高橋監督は、「教員というよりは、まるで清掃員みたいです」と言うように、日々、そんな作業に追われているというのが現実だ。
「実は、今度の土曜日(6月6日)に、学校全体の保護者会があるんです。その後の片づけ作業があるんですけれども、それを野球部が手伝って日曜日に行いますということにしたんですよ。そこで、生徒たちが全員集まるので、ミーティングをしようと思っています」
今年の紅葉川は2年生と3年生で18人という小世帯でもある。だから、代替大会には、昨秋から練習をやってきた仲間全員がベンチ入り出来る状態ではある。チームとしては、昨秋もそうだったのだが、どちらかというと2年生がある程度主体になっていたチーム構成だった。しかし、今年の夏は3年生を中心で行きたいという考えもある。
「やはり、冬の間に頑張ってきた子も多くいますからね。その成果を試す場が春はなかったわけですから、それを与えてあげなくてはいけません。代替大会は3年生の救済という意味もあると思うので、最後の夏を存分にやらせてあげたい。もちろん、勝負を捨てているというワケではありませんけれども、3年生11人のうち、全ポジション埋めても残る2人が投手なので全員起用できることになります。最後の夏への思いは作ってあげられるかなとは思います」
複雑な思いもあるが、まずは3年生に最後の場を提供できることだけでも喜んでいる。
新入生に関しては、3月末にあった新入生登校日に入部説明会を行い、その時に希望者には入部案内のプリントを渡してある。「手渡した22人が入ってくれれば」というのが、高橋監督の思いではある。ただし、現状ではまだ入部にはなっていないという。それでも、昨年の体験入部に参加してくれたという生徒が何人かおり、半分以上は把握しているという。それに、1年生同士でも、登校した際にLINEグループは作っているようで、学年ごとのLINEグループでそれぞれの様子はわかり合っているようだ。
とはいえ、選手たちは実質の練習はやれていないというのが現実だ。
「(代替大会を)実施して戴けるのはいいんですけれども、まともには練習できていませんから…。果たしてちゃんと試合になるのだろうかという、そんな心配があります。正式に大会の始まりが7月18日ということになりましたから、そこまでに何試合かは、可能な範囲でやっていこうかなとは思っています」
実は、1日が江戸川区球場の抽選日でもあり、3カ月先の新チームとしての9月までの分の抽選もあって、何回かは球場を抑えることも出来たという。
「(江戸川区球場の)抽選会では、他の学校の指導者たちも来ていて、お互いに情報交換したりしながら、気持ちを高めている」
指導者たちも模索しながらも、徐々にではあるが、通常の活動に戻しつつあるというところであろうか。
(記事=手束 仁)
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