春季愛媛県大会「史上初の」大会前中止、各所の反応は?
昨年春季愛媛県大会を制した今治西
3月6日(金)愛媛県高等学校野球連盟は3月21日(土)の東予・南予地区予選から開幕予定だった「令和2年度(第73回)春季四国地区高等学校野球愛媛県大会」の中止を発表した。
同大会は同日、愛媛県大会に先立ち大会中止が発表された「第73回春季四国地区高等学校野球大会」と同じ1948(昭和23)年より歴史を刻む伝統の大会。過去に1955(昭和30)年の第8回大会で悪天候により準決勝以降を中止打ち切りとした例はあるものの、大会前の中止は史上初となる。
この決定に際し、加盟校の監督たちは「高校野球ドットコム」の単独電話取材に応じた。
まず東予地区の愛媛小松・宇佐美 秀文監督は「3月19日(木)まで全面休校で練習ができていない、さらに今大会から投球数制限があって準備が必要なのにそれができていない中、大会をしても仕方がない。4・5月もすでに練習試合を組んでいるので厳しい」と冷静にコメント。
一方、中予地区の愛媛北条・澤田 勝彦監督は「現状では大会開催が無理なのは理解しているが、公式戦を経験させてあげるのは現場としてもとても大きなこと。選手がかわいそうだ」と無念さをにじませた。
そして昨夏甲子園出場の宇和島東・長瀧 剛監督は「4月7日(火)まで宇和島市内の体育施設は[stadium]宇和島市営丸山球場[/stadium]も含めて使用禁止。公式戦経験が減る。夏の愛媛大会でメイン会場となる[stadium]西条市ひうち球場[/stadium]・[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]での実戦や移動が経験できない。夏の愛媛大会シードが一冬超えた大会が反映されないのは辛いところだが、選手たちには『こういう事態なので我慢しよう』と話をしています。ただ、ほぼ1ヶ月間練習ができない中で特に投手は調整が難しくなりますね」と南予地区の現状と今後の課題を見据えた上で、「とにかく今は待つしかない」と新型コロナウイルスの鎮静化を祈っている。
こういった状況に対し、こちらも「高校野球ドットコム」の単独電話取材に応じた愛媛県高等学校野球連盟・松浦 彰浩理事長は「非常に苦しく残念」と本音を吐露すると同時に、今大会中止の結論を出した理由と現在、済美(6ポイント)、新田(5.5ポイント)、愛媛小松(5ポイント)、帝京第五(4ポイント)の順となっている「第102回全国高等学校野球選手権愛媛大会」のシード4校決定方法について、こう言及している。
「3月19日(木)まで公立校の野球部練習ができない中で、21日から大会を迎えるのは危険が生じるし、大会で通常は6球場を使う球場確保のことを考えても一日4試合を組まざるを得ない状況では生徒の帰途を考えると難しい。4・5月に大会を延期することも考慮に入れたが、球場はすでに土日が埋まっており平日開催は教育的見地から見ても不可能。加盟校のグラウンドも確保が難しいと判断して、中止の結論となりました。
また、夏の愛媛大会シードについては様々な方法を考えながら愛媛県高等学校野球連盟監督会との協議事項としていきたい」
最後に忽那 浩・愛媛県高等学校野球連盟会長名により、プレスリリースとして出されたコメントは以下の通りとなっている。
本日、四国地区高等学校野球連盟から令和二年度春季四国地区高等学校野球大会について中止が発表されました。
本連盟としては、春季四国地区高等学校野球大会の予選としていました春季四国地区高等学校野球愛媛県大会について中止といたします。加盟校が休校中であり、部活動も禁止となっている現状から、十分な準備のできないまま21日の地区予選を迎えなければならないためです。
御理解のほど、よろしくお願いいたします。
(取材=寺下 友徳)