全体練習に復帰するときのチェック
ケガをする前の筋力、柔軟性など体力レベルが戻っていることを確認しよう
オフシーズンは体づくりとともに、ケガや不安部位に対するリコンディショニングを中心に行う選手もいるのではないでしょうか。特に手術などを経験すると、患部のリハビリテーションとともに患部外のトレーニングを並行して行い、競技復帰を目指していることと思います。ケガをして全体練習から外れている期間が長くなればなるほど、チーム練習に合流するタイミングもむずかしいと思いますが、どのような準備をすれば良いでしょうか。
●医師に患部をチェックしてもらう
ケガで離脱している期間が長い場合は、なるべく一度受診した医療機関で、医師に患部の状態を確認してもらったうえで競技復帰することが望ましいといえます。病院が遠方でなかなか通うことができない場合は、あらかじめ「どのような状態になったら競技に参加していいか」を確認しておきましょう。「痛みなく投げることができる」「握力が元の状態に戻る」など。
●運動機能と痛みをチェックしよう
患部については必要なエクササイズを医師(もしくは専門家)から指導されていたと思いますが、再発を予防するためにもぜひエクササイズは続けていくようにしましょう。その上で患部の運動機能をチェックします。
1)関節可動域(関節の動く範囲)が正常は範囲になっている
2)筋力レベルがケガをする前の状態に戻っている
3)ケガをしたときの動作を行っても不安なくできる
関節可動域と筋力に関しては左右差を見ながらチェックするとわかりやすいでしょう。安静期間が長くなると関節可動域や筋力は低下してしまいます。まずは関節の動きが正常に行えるか、そして筋力レベルがケガをする前の状態まで戻っているかを確認します。
そしてケガをしたときと同じ状況でも不安なくプレーできるかどうかもあらかじめ確認しておきましょう。さらに激しい動作を繰り返すと痛みを覚えることがあると思いますが、練習後には患部を氷などで冷やして炎症を抑え、様子をみながら段階的に負荷をかけていくことが大切です。
●体力レベルをチェックしよう
患部外の体力レベルについてはつい忘れがちですが、ケガをした部位以外のところは積極的に動かしていくようにしましょう。いざ全体練習に復帰したときに「練習についていけない…」とならないように、筋力、筋持久力、心肺持久力など野球に必要な体力要素を鍛えることも忘れずに行いましょう。
文:西村 典子
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