オリックスはT-岡田以来、高卒生え抜きの2桁本塁打到達者が不在
T-岡田選手(オリックス)
最下位からの巻き返しを狙うオリックスは、このオフシーズンにMLB通算282本塁打のアダム・ジョーンズを獲得した。生え抜き選手を見ると吉田正尚が軸になることは間違いない。西村徳文監督もジョーンズと吉田のコンビに主軸を任せることを明言しているほど。打順はわからないもののジョーンズと吉田の主軸は他球団にとって大きな脅威となるはずだ。
そしてT-岡田にも復活の期待がかかっている。昨シーズンはわずか1本塁打に終わったが、このオフシーズンはプエルトリコのウインターリーグに参加。4本塁打を放っており、今シーズンの成績に繋げたいところだろう。
このT-岡田は大砲候補として、2005年の高校生ドラフト1巡目でオリックスに指名され入団。2010年には本塁打王にも輝き順調に成長しているかに見えた。しかし、その後は思ったように成績を残すことができていない。とはいえ、ここまでに通算170本塁打。今シーズンは自身3度目の30本塁打で、200本塁打を達成したいところだ。
高卒の大砲候補は育成が難しい。早い段階で本塁打王を獲得しても、伸び悩むことは往々にしてある。さてオリックスでは、2005年から2019年までに指名された高卒野手で、大砲候補にとっては通過点でもある2桁本塁打を達成した選手はどれくらいいるのだろうか。
オリックスが2005年のドラフト会議以降に指名した高卒野手を調べてみると、2桁本塁打に到達したのはT-岡田ひとりしかいない。レギュラークラスに成長した伊藤光(現・DeNA)と若月健矢はともに捕手ということもあり、これまで2桁本塁打に到達していない。後藤駿太も2014年の5本塁打がキャリアハイだ。
近年だと宗佑磨や西浦颯大が一軍に定着しつつある。しかし、その宗も5本塁打、西浦は1本塁打のみ。2桁本塁打には届いていない。
そのなかで期待できそうなのが、2018年ドラフト1位の太田椋である。昨シーズンは一軍で無安打だったものの、二軍では64試合に出場し6本塁打を記録している。今年の春季キャンプでは一軍スタートを勝ち取った。近い将来、レギュラーを奪いT-岡田以来となる高卒生え抜きの2桁本塁打達成となるだろうか。
【オリックスの高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降(育成はのぞく)
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者
T-岡田(履正社/外野手/2005年高校生1巡)☆★
柴田亮輔(愛工大名電/内野手/2005年高校生3巡)
土井健大(履正社/捕手/2006年高校生5巡)
丹羽将弥(岐阜城北/外野手/2007年1巡)
伊藤光(明徳義塾/捕手/2007年3巡)☆現在はDeNA
後藤駿太(前橋商/外野手/2010年1位)☆
三ツ俣大樹(修徳/内野手/2010年2位)☆現在は中日
堤裕貴(龍谷/内野手/2011年6位)
武田健吾(自由ケ丘/外野手/2012年4位)☆現在は中日
若月健矢(花咲徳栄/捕手/2012年3位)☆
園部聡(聖光学院/内野手/2012年4位)
吉田雄人(北照/外野手/2012年5位)
奥浪鏡(創志学園/内野手/2012年6位)
宗佑磨(横浜隼人/内野手/2013年2位)☆
岡崎大輔(花咲徳栄/内野手/2016年3位)☆育成契約
根本薫(霞ヶ浦/外野手/2016年9位)☆
西浦颯大(明徳義塾/外野手/2017年6位)☆
広沢伸哉(大分商/内野手/2017年7位)☆
太田椋(天理/内野手/2018年1位)☆
宜保翔(未来沖縄/内野手/2018年5位)☆
紅林弘太郎(駿河総合/内野手/2019年2位)☆
(記事:勝田聡)
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