アジアウインターリーグで大暴れ! 砂川リチャードは支配下契約を勝ち取れるか
沖縄尚学時代の砂川リチャード(ソフトバンク)
日本国内において、2019年のプロ野球の試合はすべて終了した。すでに各球団、選手ともに2020年シーズンへ向けた準備を行っている。しかし、世界に目を向けるとまだまだ試合は行われており、異国の地で汗を流している日本人選手も多い。
もっとも多くの日本人選手が参加しているのが、台湾で行われているアジア・ウインターリーグ・ベースボール(以下、AWB)だ。NPBからはNPBレッド、NPBホワイトと2チームを派遣。若手選手を中心にリーグ戦を戦っている。過去のAWBでは岩貞祐太(阪神)や吉田正尚(オリックス)、そして昨年は村上宗隆(ヤクルト)が活躍。翌年以降の飛躍に繋げたことでもよく知られている。
そんなAWBで結果を残しているのが、ソフトバンクの育成選手・砂川リチャードである。砂川は育成契約ということからもわかるとおり、これまでの実績はない。2019年シーズンも三軍では打率.279、11本塁打、54打点と結果を残したが、二軍ではわずか8試合の出場で打率.077(13打数1安打)と苦しんだ。
しかし、AWBでは抜群の成績を残している。8試合の出場で打率.412(34打数14安打)、3本塁打、15打点で打率は3位だが、安打、本塁打、打点はリーグトップの数字。育成契約から支配下登録を勝ち取るために懸命なアピールを続けている。
王貞治会長から「3試合に1本、本塁打を打ったらなにかあげるよ」と声をかけられていることからも、期待のほどがうかがえる。ここまではそのペースを維持しており、決して目標達成も不可能ではない。
ソフトバンクは千賀滉大や甲斐拓也、牧原大成、周東佑京ら育成契約から這い上がり、一軍で結果を残す選手は多くいる。しかし、これまでにスラッガーは不在。
砂川は沖縄尚学高校時代に甲子園への出場こそなかったが、目をみはる体格そしてパワーを兼ね備えており注目を浴びていた。母校のOBを見渡すと野手では嶺井博希(DeNA)や伊志嶺翔大(元・ロッテ)、比屋根渉(元・ヤクルト)の名前が挙がるが、スラッガータイプはいない。
砂川が、育成出身、そして母校初のスラッガーとなることを期待したい。
(記事=勝田 聡)
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