高知中央vs城東
高知中央、城東の脚をつなぎでねじ伏せ明徳義塾との同県決戦へ!
高知中央vs城東 4回裏高知中央一死満塁から5番・山本大介(2年・一塁手)が高校通算19本目となる右越グランドスラムを放つ
「紙一重でした」。試合後、高知中央・重兼 知之監督が神妙な顔で話した振り返りは決して誇張ではない。事実、3回までは3対3。初陣の高知中央は大手前高松戦と同じく4盗塁などでダイヤモンドを駆け抜ける城東の脚に苦しめられた。
しかし高知中央には二の矢・三の矢を持っていた。守備でまず4回表から2番手で登板した1年生右スリークォーター・吉岡 稔貴(1年・右投左打・170センチ57キロ・南国ヤングマリナーズ出身)が最速133キロのストレートとシンカー系スライダーを低めに集めて城東の勢いを断つと、その裏には一挙6得点。
まずは一死二塁から1番・曾 昱磬(2年・二塁手・175センチ75キロ・右投左打・高雄市立橋頭中<台湾>出身)のセンターに返す適時打で勝ち越すと、なおも一死一・三塁から「次につなごうと思った」3番・板谷 朋生(1年・遊撃手・167センチ67キロ・右投右打・南国ヤングマリナーズ出身)がグリップ2握り余らす構えから左前適時打。
最後は5番・山本 大介(2年・一塁手・176センチ95キロ・左投左打・京田辺ボーイズ<京都>出身)が、「ライナーを打つことを意識して」右翼芝生席中段に突き刺した高校通算19本目となる大会第3号グラウンドスラム。加えて5回裏に曾が右翼芝生席上段に放った高校通算7本目の2ランもライナー性。「ナイス采配でした」。これには城東・鎌田 啓幸監督も兜を脱ぐしかなかった。
かくして11対10の乱戦を制した高知県予選に続き、準決勝で明徳義塾との決戦を迎えることになった高知中央。「意識するなと言っても意識することになる中で、いかに目の前の1人1人と向き合えるか」。指揮官があげたポイントを選手たちが消化することができれば、決勝戦初進出を飛び越え大会初出場初優勝への道が一気に開けてくることになるだろう。
(文=寺下 友徳)