豊田北vs桜丘
立て直しの秋 桜丘が初回に逆転で豊田北を下す
二回に勝ち越しのタイムリーを放った桜丘・湯地君
秋季県大会も終わったが、愛知県では毎年この時期には全三河大会、全尾張大会という地域の大会が開催される。春と秋、年2回開催で、この秋は第141回目ということで70年以上続いている歴史のある大会だ。愛知県高野連の三河支部が主催という形で地元の中日新聞社が共催として入っている公式大会である。
秋季地区予選で東西三河地区の上位8校に出場権が与えられる。
この夏の愛知大会では決勝進出を果たして、悲願の甲子園出場に手の届きかかった桜丘。新チームも順調に西三河を勝ち上がって県大会進出を果たしたものの、県大会では初戦となった2回戦で同地区の豊橋工に足元をすくわれた。杉澤哲監督は、「秋は投手で苦しんでいる。チームそのものが小さいので、これからじっくり作り上げていかなくてはいけない」というところからの立て直しも含めての今大会となった。
先制したのは豊田北で初回、二死走者なしから村瀬君が四球で出るとすぐに二塁盗塁。4番・梅田君が左前へ適時打してソツのない形での先取点だった。
しかし桜丘もすぐにその裏、振り逃げの走者を捕逸とバントで三塁へ進めると、4番・磯谷君の中前打で帰して同点。さらに桜丘は2回にも一死一二塁から9番・湯地君が中前へクリーン安打でリードを奪う。4回にも長谷川君、湯地君と下位の連打と捕逸に2番・藤野君のバント安打などで2点を追加。
豊田北が5回に8番・大成君の右線二塁打で1点を返すと、桜丘も6回、磯谷君のタイムリー打や相手失策にも乗じて3点を追加。
それでも、豊田北は諦めずに食い下がっていく。7回に3人目の鈴木清太君を攻めて弦本君、代打西川君の二塁打などで2点を返す。こうして、お互いに点を取り合う展開は続いていった。さらに豊田北は8回にも押し出しで5点目を奪い逆転の走者も出した。ただ、豊田北もあと一本を出し切れない。
こうして、桜丘が何とか逃げ切った。
夏からのチーム作りということでは、やはり少し遅れているというのも、桜丘としては正直なところであろう。それだけに、「県大会の後に、こうしてまた一つ、背番号をつけて行える大会があるということは有り難い。やはり、練習試合と公式戦という意識とでは違う」と、杉澤監督はこの大会を通じてチームを成長させていこうという考えでもある。
豊田北は、食い下がったものの追いかけきれなかった。それでも、チームとしては投手の弦本君を中心として、よくまとまっているという印象だった。
記事=手束仁