試合レポート

横浜隼人vs大磯

2019.07.15

横浜隼人が大磯を完封

 保土ヶ谷球場の第2試合は、横浜隼人VS大磯

 気温22.3℃、湿度92%で、北の風2.5m/s。16時9分に試合開始のサイレンが鳴った。

 1回表、横浜隼人の攻撃。1番佐野が大磯の右腕、丸山からいきなり右中間に2塁打を放つと、続く2番蛭間は1塁線のバントでランナーを3塁に進める。ここで3番新井のピッチャー返しの打球はセンターに抜けて、あっさりと1点を先制。さらに5番菊地のセンター前ヒットと5番星野の四球で満塁とチャンスが広がる。ここで6番中村の打球は内野に上がり、ファーストが落球するもインフィールドフライが宣告されており2アウト。攻撃の流れが切れたかに見えたが、続く7番塩澤は押し出しの四球を選んでさらに1点を追加。しかし、8番高橋は丸山の外の直球を空振り三振。初回の得点は2点止まりとなった。

 1回のピンチを2失点で凌いだ丸山は、2回以降はランナーを出しながらも縦のカーブと直球のコンビネーションで横浜隼人打線を6回まで無得点に抑える。特に5回表、4番菊地のショート内野安打、5番星野の四球で1死1、2塁の場面。6番中村に3塁線ギリギリのファールを打たれてヒヤリとするも、その後はピッチャーゴロの併殺に討ち取るなど、要所を締める粘投を見せる。

 一方、横浜隼人の先発、背番号20番の加藤も、伸びのある速球で大磯打線を全く寄せ付けない。3回に入ると再び雨が降り出し、5回から照明に灯が入る中、7回まで快調にノーヒットピッチングを続け、中盤まで投手戦が展開される。

 試合が動いたのは7回表。1死後、2番蛭間がストレートの四球で1塁に歩くと、牽制悪送球と盗塁で3塁に進み、3番新井のところでスクイズを敢行。横浜隼人に貴重な3点目が入る。さらに8回表、7番塩澤が3遊間を破るレフト前ヒットで出塁すると、2つの送りバントでランナーを3塁に進める。ここでキャッチャーのパスボールによりラッキーな1点を追加し、4-0とリードを広げる。


 何とか反撃したい大磯も、8回裏、ようやくチャンスを作る。ノーヒットノーランが見えてきた加藤から2つの四球で1死1、2塁とすると、8番田原が1、2塁間を破るチーム待望の初ヒットで満塁。しかし、後続が凡退し、惜しくも得点ならず。

 最終回、大磯は四球とボークで招いた1死3塁のピンチの場面。ショート佐久間がゴロで捌き本塁に送球して3塁ランナーをアウトにするなど堅い守備で追加点を許さず、裏の攻撃に望みをつなぐ。しかし、3番畠山にレフト線の2塁打が出るなど粘りを見せたものの、後続が倒れてゲームセット。横浜隼人大磯を4-0で下して3回戦進出を決めた。

 横浜隼人は加藤の快投が光った。9回を投げて被安打2で、15奪三振の完封。ほとんど直球しか投げなかったが、その伸びのある直球で大磯打線を翻弄。変化球が投げられないわけでなく、投球練習では変化球を投じても、打者に対しては敢えてひたすら直球を投げ込み、8回のピンチでもそのスタイルを変えなかった。自信があるからこそできる業であろう。また、攻撃の方でも工夫が見られた。3点目は3番打者のスクイズで、また4点目は2つのバントでランナーを3塁まで進めてもぎ取り、どちらも相手のミスに乗じた追加点。豪快な打線が持ち味の横浜隼人だが、今日は小技で3点目、4点目を取りに行くなど、水谷監督の采配も光り、打線がつながらない試合でもしぶとく点を取る横浜隼人の勝ちパターンを見せてくれた。

 一方、大磯の丸山のピッチングも素晴らしかった。初回に失点した時は、このままズルズルいってしまうのでは、とも危惧されたが、その後は持ち直し、横浜隼人の強力打線を8安打、4失点に抑えて完投。牽制悪送球、パスボールなど細かいミスが無ければ、もっと僅差の投手戦になっていただろう。

 それから、打線の方は、球種を直球に絞り、バットを短く持ってミートに徹するなど、もう少し工夫があっても良かったかもしれない。この敗戦を糧に、秋には打撃の強化されたチームになって帰って来て欲しい。

                                          

                                          

(文=松田 祥二郎)

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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