【新連載・河嶋宗一のスカウティングメール】春季東北大会取材で見つけた2人の逸材野手
年間300試合観ている高校野球ドットコムのドラフト部長こと河嶋宗一から、今週もスカウティングメールが届きましたよ。今週はどんな選手が、メガネの奥で鋭く光る河嶋の目に留まったのでしょう?
藤原 涼雅選手(学法石川) 小林 玲大遊撃手(東北学院)
高校野球ドットコムのスカウト部長・河嶋宗一です。これから毎週月曜に、この1週間で見つけた逸材を紹介していきます!宜しくお願い致します。
昨週の7日から9日まで東北大会取材のため、山形に行きました。私は2014年から今年まで春季東北大会を5回取材させて頂いていますが、本当に発見が多く、大好きな大会です。それはなぜかというと、6月に入り、チームは仕上げ時期に入り、投手、野手もハイレベルなパフォーマンスができるようになっているからです。シートノックを見ても、多くのチームが内野手は機敏な動きをしていて、外野手はダイレクト返球。投手は135キロ以上が当たり前。
あまり東北地方を見ていない私にとってはこんな選手がいるんだ!と発見になることが多いです。近年見てきたプロ入りした選手を挙げると、
・松本裕樹(盛岡大附-ソフトバンク)
・平沢大河(仙台育英-千葉ロッテ)
・高橋 樹也(花巻東-広島東洋)
・種市 篤暉(八戸工大一 -千葉ロッテ)
・山口航輝(明桜-千葉ロッテ)
・田中優大(羽黒-巨人)
・西巻賢二(仙台育英‐東北楽天)
の7名は直接見ています。7人ともずば抜けていました。現在、開催されている大学選手権に出場している154キロ右腕・杉山 晃基(盛岡大附‐創価大)も素晴らしかったですね。
さて今回、私が印象に残った2人の球児を紹介させていただきます。今回は学法石川の藤原涼雅選手と東北学院の小林玲大遊撃手ですね。藤原選手は171センチ85キロと小柄ですが、分厚い胸板と下半身をしたがっしり体型の左のスラッガーで高校通算35本塁打。なんといっても魅力は迫力あるフルスイングです。東北大会で飛ばす打者は多くいましたが、これほど強く振れる選手はいないのでは?
個人的には北海道日本ハム入りした今井 順之助(中京出身)のようなスイング、メカニズムをしていて、手打ち感がなく、体幹をしっかり使えたスイングをしているので、木製バットでは早い段階で本塁打量産を期待できるスラッガーだと評価しています。さらに強肩なのも見逃せません。
小林選手は事前の情報で守備が上手い遊撃手と聞いていましたが、シートノックの段階で「上手い!」と確信。スピーディーな動き、持ち替えが速い動作、三遊間の深い位置からでもさせる強肩、そしてバウンド処理のうまさ。すべてがずば抜けていました。今年の高校生遊撃手でもトップクラスの上手さだと思います。レポートでも紹介しましたが、小林君は自分の動きを言語化できるクレバーさがあります。東北大会で課題となった打撃。当てる能力は高いので、強いスイングができる体力、技術を見つけられると、もっと注目を浴びる選手になると思います。
東北大会は5試合取材させていただきましたが、多くの逸材に出会えたことに感謝いたします。試合レポートでも多くの選手を紹介しておりますので、こちらもご覧ください。また、別の機会でレポートで取り上げられなかった逸材などを紹介していきますので、お楽しみください。