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脳のウォームアップ

2019.05.21

脳のウォームアップ | 高校野球ドットコム
ウォームアップでは適度にリズミカルな動きを取り入れよう

 ケガの予防やよりよいパフォーマンスを発揮するためには、練習や試合前には必ずウォーミングアップを行うことが不可欠です。ウォーミングアップを行うと体は温まり、筋肉の柔軟性を高めたり、関節の動きを良くしたりします。また同時に試合に向けたメンタル面の準備であったり、判断力や集中力を養う脳へのウォーミングアップ効果も養われます。

 脳は自律神経によってコントロールされます。自律神経には興奮状態をつくり出す交感神経と、リラックス状態をつくり出す副交感神経があり、このどちらか一方が強く働きすぎると運動に適した脳の状態を保つことができません。交感神経が強く働いているときは緊張しすぎている状態であり、逆に副交感神経が強く働いているときはリラックスしすぎている状態となります。ウォームアップでは脳の覚醒状態を適切なバランスに保ち、練習や試合で適度な緊張感を持てるようにすることもまたその目的の一つと言えるでしょう。

 脳の覚醒状態をコントロールするものの一つにセロトニンというホルモンが関係していると言われています。セロトニンの分泌が不足していると副交感神経が有意になり、あまり頭が働かない、集中力が保てないような状態になりやすく、逆にセロトニンが過剰になってしまうと緊張が高まりすぎてパニック状態になったり、イライラしてしまったりすることが懸念されます。脳の適切な状態をつくるためには、起床時に太陽の光をしっかりと浴びること、ウォームアップ時にはダイナミックストレッチなど適度にリズミカルな運動が良いといわれています。テンポの良い曲などに合わせて体を動かすことなども脳への刺激として効果が期待できますので、ノリのいい曲を選択することもオススメです。

 特に試合では緊張しすぎると力みにつながりますし、リラックスしすぎると試合や勝負に対する執着が薄れたり、とっさの判断力などが遅れてしまったりすることが考えられます。体とともに脳や心の準備をするという意識を忘れずにウォームアップに臨むようにしましょう。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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