去年は吉田輝星が大ブレイク 高校ビッグ4に並ぶ存在は現れるか？
選抜高校野球が終わり、全国高校野球選手権大会（以下、夏の甲子園）まであとわずかとなった。3年生にとっては「最後の夏」がもう間もなく始まることになる。
昨年は根尾昂、藤原恭大、小園海斗が早くから話題
左から西純矢（創志学園） 佐々木朗希（大船渡） 奥川恭伸（星稜） 及川雅貴（横浜）
全国の高校3年生を見渡すと、現時点では佐々木朗希（大船渡高校）がもっとも注目を集めている存在ということに異論はないだろう。すでに160キロ超えを計測しており、日米多くの球団が視察に訪れていることからも注目の高さがよくわかる。花巻東高校出身の菊池雄星（マリナーズ）や大谷翔平（エンゼルス）と同じく岩手県出身ということもまた話題となった。
それに続く存在なのが奥川恭伸（星稜高校）、及川雅貴（横浜高校）や西純矢（創志学園高校）といったところだろうか。佐々木を含めた4人は「高校ビッグ4」とも呼ばれ、スカウトはもちろんファンもその動向には注目している。
しかし、これはあくまでも現段階でのこと。夏の甲子園へ向けた地方大会が始まれば新たなスター候補が全国各地から誕生することになる。
昨年を振り返ってみても、この時期に大きく取り上げられていたのはわずかだった。大阪桐蔭高校の根尾昂（中日1位）、藤原恭大（ロッテ1位）と報徳学園高校の小園海斗（広島1位）くらいなもの。
吉田輝星（金足農）※写真：共同通信
その他のドラフト1位である吉田輝星（金足農業高校→日本ハム）と太田椋（天理高校→オリックス1位）はドラフト情報誌などで取り上げられる存在ではあったが、少なくとも「高校ビッグ3」などというような大きな括りには入っていなかった。
特に吉田はドラフト上位の評価となり実際に1位で指名されたのは、夏の甲子園があったからこそである。
つまり、まだ全国的には知られていない選手たちが突如現れ（たように見え）、ドラフト候補生に名乗りをあげることは、十二分にあり得る話なのである。
現在、全国各地で行われている春季大会、そして夏の甲子園ではどんなスター候補が誕生するのだろうか。すでに注目されている「高校ビッグ4」だけではなく、その他の隠れた選手に目を向けることも高校野球の楽しみ方のひとつである。
昨年の吉田のように大ブレイクを果たし、ドラフト1位の評価を得るような選手が現れることに期待したい。
文＝勝田聡
