阪神・木浪聖也は同世代を抜き去りレギュラー奪取なるか?
プロ野球の開幕まで残すところ10日ほどとなった。2月1日から繰り広げられてきたサバイバルレースも一旦は終焉を迎えることとなる。そんななか、新人ながらレギュラー候補として期待をかけられているのが、阪神のルーキー・木浪聖也である。
青森山田高校時代に甲子園出場はなし
高校時代の木浪聖也と北條史也
木浪はドラフト3位でHondaから阪神に入団。社会人時代は遊撃手としてプレーしており、即戦力候補として春季キャンプも一軍スタートを勝ち取った。キャンプ中盤から始まった実戦練習で結果を残し続け、オープン戦が始まっても二軍降格することなく帯同を続けている。
本来の遊撃手だけでなく三塁でも出場するなど、矢野燿大監督が起用法を模索している段階だ。もちろんレギュラーを奪うのは簡単ではない。遊撃には伸び盛りの北條史也、ベテランの鳥谷敬がおり、三塁には日本代表にも選出された大山悠輔がいる。ルーキーの木浪には当然、実績がない。開幕まで打ち続けることでアピールをするしかないのである。
社会人出身ということもあり、木浪の学生時代についてはあまり知られていない。木浪は青森山田高校出身で京田陽太(中日)と同期であった。1学年上には山崎晃大朗(ヤクルト)もいた強豪である。しかし、高校時代に甲子園への出場経験はない。現在チームメートである北條と田村龍弘(ロッテ)が所属する光星学院(現・八戸学院光星)という大きな「壁」があったのである。
プロ志望届の提出はせず、亜細亜大学へと進学。4年秋のシーズンでは打率.364(22打数8安打)の結果を残したが、その他に目立った実績はない。この時点でもプロ志望届の提出はおこなわなかった。
そしてHondaで花開き、ようやくプロの世界へと足を踏み入れたのである。高校時代の宿敵でもある北條とはチームメートになったが、遊撃手のポジションを争うライバルでもある。また三塁の大山も同学年。木浪は、彼らよりも入団は遅かったが、ここからは横一線だ。高校時代、大学時代に及ばなかった同級生からポジションを奪うことに期待がかかる。
(記事=勝田聡)