体重が増えた時に心がけること
筋肉量が増えると体重が増えますが、下半身の筋力が体重を支えて大きな力を生む。
オフシーズンにトレーニングを継続的に行い、適切な栄養と休養を心がけていると、体は少しずつ変化し筋肉量がアップしていきます。筋肉は脂肪に比べて体積に占める密度(比重)が高く、同じ体積量であれば筋肉の方が重くなります。見た目にはそれほど大きな変化がなくても、筋肉がつくと体重は増え、体は重くなるということを覚えておきましょう。急激に体重を増やしてしまうと、ケガをしやすくなるのは体重を支える筋力が伴っていない場合です。こうしたことを避けるためにも1ヶ月に1~2㎏を目安に少しずつ体重を増やしていくようにしましょう。
体重が増えるにつれてグランドでは「体が重い」「動きが何となく鈍い」と感じることもあるかもしれません。しばらくすると体重の重さに体がなれ、下肢を中心とした筋肉や関節などでその体を支えるようになります。「体が重く感じる」ことを否定的にとらえるのではなく、適応段階にある体と上手に向き合っていくことが大切です。体重が増えたときに心がけておきたいことについてまとめておきます。
●ウォームアップは念入りに行い、十分に筋温を上げてから練習すること
●敏捷性を養うドリル、ジャンプ系のドリルは練習の前半に行う
●長距離走など下肢や荷重関節に反復する外力がかかるものはなるべく避ける
●体重コントロールは食事を抜くのではなく運動で
基本的には体が重い状態でもプレーを継続して問題ありませんが、感覚的なものを養うためには繰り返し練習することも必要となってきます(基本練習など)。また切り返し動作やパワー、スピードなどを意識した練習を行う際は、なるべく体がフレッシュな状態の時に行うようにしましょう。トレーニングについても中断してしまうと次第に筋力が落ちてしまうので、全体練習での疲労を考慮しつつ、トレーニングも継続して行い筋力を維持・強化させるように心がけましょう。
文:西村 典子
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