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菊池雄星、筒香嘉智だけじゃない! 今季、覚醒した1991年世代

2018.09.20

 「BFAU-18アジア野球選手権」も終了し、ドラフト前に3年生が出場する試合は国体だけとなった。その大会では今年のドラフト戦線を賑わすであろう藤原恭大根尾昂(ともに大阪桐蔭)、小園海斗報徳学園)、吉田輝星金足農)らが注目となりそうだ。

 さて、高校球児たちのなかには高卒ではなく、大学や社会人で実績を作ってからプロを目指す選手も数多くいる。高卒でプロ入りした同期から遅れること4年、場合によってはそれ以上の期間を経て、同じ舞台に飛び込んでいくのである。

 その遅れてプロ入りをはたした選手達が戦力となるのは、そのさらに数年後だ。

菊池雄星が世代を牽引

菊池雄星、筒香嘉智だけじゃない! 今季、覚醒した1991年世代 | 高校野球ドットコム
菊池雄星

 ここで今シーズンの1991年生まれ世代(1991年4月2日から1992年4月1日生まれ)を見てみよう。

 この世代は花巻東菊池雄星(現・西武)を中心にまわっていた。3年春の選抜では今村猛(現・広島)率いる清峰に0対1で敗れたものの、150キロを超えるストレートは大きな話題となった。そして夏の選手権大会では、故障がありながらもベスト4に進出。日米を含めた争奪戦になるほどのフィーバーぶりだった。

 この世代は菊池、今村だけではなく、明豊今宮健太(現・ソフトバンク)、横浜筒香嘉智(現・DeNA)、中京大中京堂林翔太(現・広島)といった面々が甲子園で実績を作り、ドラフト上位でプロ入りをはたしている。

 「菊池世代」なのか「筒香世代」なのかは意見が割れることもあるが、両選手ともにプロ入り後も大きな実績を残してきた。

ここまで、菊池や筒香といった高卒の選手が話題となっていたこの世代だが、今シーズンは大卒組、社会人組も大きな成果を残しつつある。

山川穂高が大ブレイク

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大ブレイクの山川 穂高選手(写真=共同通信社)

 その筆頭格が中部商山川穂高(現・西武)だろう。高校時代に甲子園での出場経験はなかったが、富士大を経て2013年に西武へと入団。5年目の今シーズンはすでに40本を超える本塁打を放ち、長距離砲としてリーグを代表する打者に成長した。

 また、長崎日大時代に長崎大会で今村、甲子園で菊池と戦った大瀬良大地(現・広島)もそうだ。九州共立大から広島へ入団し、今シーズンは沢村賞も視野に入る投球を続けており、5年目でエースとなった。

 社会人経由では森唯斗(現・ソフトバンク)もそうだ。海部では甲子園に縁がなかったものの、三菱自動車倉敷オーシャンズからソフトバンクへ入団。今シーズンはデニス・サファテの離脱があり、守護神としてチームを引っ張っている。

 1991年生まれ世代が甲子園を沸かせた2009年から9年の時を経て、高卒、大卒、社会人と様々な経路からプロ入りをはたした選手達が、主力になるのである。

 2000年生まれ世代(2000年4月2日生から2001年4月1日生)は現時点では根尾や藤原が集団のトップを走っている。しかし、遠い未来では驚くべき選手が世代を引っ張っているかもしれない。

(記事=勝田聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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